「行っちゃうの?」 少女は問う。 「あぁ」 少年は少女の声で振り向き、無表情に頷いた。 「そっか」 「引き止めないのか」 少年の問いに少女は奇麗に微笑んだ。 「ばいばい」 少年は少し悲しそうに、その場を去った。 「お前のことだけは忘れないから」 言葉を残して。       不器用〜っ!」 「あっ、サクラ。おはよ〜」 後ろから誰かが走ってくる音が聞こえた。 は名前を呼ばれ振り返り、何事もないように笑顔であいさつをする。 「おはよ……じゃなくて!あの、さ………」 一人突っ込みをしながら、サクラは言い難そうに口をもごもごさせている。 「何?」 は問う。 「あの……サスケ君のこと知ってる?」 その問いに、は昨日のあの夜のように奇麗に微笑んだ。 「知ってるよ」 「昨日、サスケ君と話したの?」 「うん。その様子じゃサクラも話したみたいだね」 サクラは不安そうに哀しそうに言葉を発するのに対して、は笑みを絶やさず淡々と話す。 その姿は状況を知っているようには思えず、サクラは嫌悪感を覚える。 「引き止めなかったの?」 「ん?サクラは引き止めたの?」 問い返され、サクラは頷いた。 と違い、今にも泣きそうだ。 「引き止めたよ。でも、駄目だったの………は?」 の引き止めたでしょ?と言っている様な瞳。 サクラはそう思いたかった。 も引き止めた、と。 しかし返ってきた答えは 「引き止めないのかって言われたけど、無視してばいばいって言った。里を抜けることは いけないことだけど、それはサスケが決めたことだもん。私にとやかく言う権利はないよ」 自分の思っていたことと正反対で、悲しみと怒りが交差しながら一気にサクラを襲った。 「そんなこと………」 サクラは口を閉じた。 胸の前で手をギュッと強く握る。 「連れ戻す気はないの?」 「………分かんない」 「はサスケ君のこと好きじゃなかったの?!好きじゃなかったのに付き合ってたの?! それだったら酷いよ………私、サスケ君のこと…………」 涙で言葉が途切れる。 は無表情でサクラを見つめた。 「大好きだったから、止めなかったのよ」 「えっ?」 そう呟く声が聞こえたと思ったら、もうそこにの姿はなかった。 サクラがサスケを好きなことはずっと前から知ってたよ。 だって、女子のほとんどがサスケのことを好きだったしね。 そんな中で、サスケは私のことを「好き」だと言ってくれた。 一回目は振ったんだけど、二回目に軽い気持ちで付き合ってみたら、何時の間にかにか夢中になっていた。 でもそれを知られたくなくて、クールにみんなの前でもサスケの前でも振舞っていたんだ。 本当は昨日引き止めたかったんだよ。 私達、一緒にどれだけの時間を過ごしたと思う? ほんの少しだけ。 もし この声が枯れるくらいに好きだと言ったら、あなたはどんな顔をしただろう。 この声が枯れるくらいにあなたに好きと言えばよかった。 会いたくて 逢いたくて 仕方がないの。 馬鹿だね私。 見栄を張って、大切な者を失ってる。 好きなの。 本当は行って欲しくなかったの…… 私の言葉、おかしいね。 それだったらそう言えば良かったのに。 今だったら言えるのに。 一人だったら言えるのに。 いざ、サスケを目の前にすると言えなくなっちゃうの。 言葉は意味を失い、全てが無になってしまう。 もし戻ってきたら、今度こそ この声が枯れるくらいに好きと言うから 戻ってきて 声が枯れるくらい、ここで好きと言い続けるから。 サスケに告白をされた場所で、私は泣いた。 一人で、声を上げて泣いた。 「馬鹿ッ……」 私だ。 でも、サスケも馬鹿だ。 「ずっと離れてたら、何時か忘れるに決まってるじゃない」 そんなことも分からなかったサスケは馬鹿だ。 その言葉を一瞬でも信じた私も。 大好きだよ。 君のことが。 心がはちきれるくらい。  +++++++++ 恋に不器用ということで。 不器用なのだろうか?という疑問は残りますが、丸めてゴミ箱へ捨てましょう。 サスケ夢(?)。NARUTO夢は書きたいんですけどね…… 連載が多すぎて(自分の所為)書けません。 NARUTO夢で浮かんでるのが連載だけなので(爆)。 短編も頑張らないと…つーか、お題頑張れよ、自分。 ちなみにこれは、〔サスケ〕の〔青いベンチ〕を聞いていたときに思い浮かびました。
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