BACK誰かが呼んでる・・・・・・ ハリーはベッドから起き上がり歩き出した。 その瞳はまだ夢現で、まるで何かに操られているかのよう。 「ハリー?・・・・どこ行くんだい?」 隣のベッドにいる親友がベッドから起き上がった気配で目を覚まし、ロンは問う。 ハリーは何も答えず、静かに部屋の扉を開いた。 「ハリー?」 返事は返ってこない。 ロンは心配になり、眠気眼を擦り、ハリーを追った。 ―――助けて ハリーの頭の中で、女性の声が何度も何度も繰り返される。 「今行くよ」 ハリーは呟いた。 「えっ?」 ロンは疑問符をあげる。 ハリーは歩き続ける。 H E L P i t 「おい、ハリー!いったいどうしたんだよ?!こんな夜遅くに出歩いているのを見つかったら減点だけじゃすまないぞ」 小声で話しているのに、それは闇に不気味に響き、溶ける。 ハリーはロンの言葉に聞く耳をもたず、黙々と歩き続けた。 もしかしたら、聞こえていないのかもしれない。 聞こえているのは、頭の中に響く女性の声。 「ハリーっ!」 ロンが少し、ほんの少しだけ声を大きくしたとき ハリーは足を止めた。 そこは〈暴れ柳〉があるところだった。 ハリーは暴れ柳のほうへと足を進める。 ゆっくり、ただゆっくりと。 進んだ先に見えたのは 「人・・・・・・?」 暴れ柳の下に人間が倒れているのを己の眼が確認した瞬間、一瞬で夢から覚めたように ハリーの目は開いた。 「あれ?何で僕はこんな処にいるの?」 状況が把握できていないようで、辺りを何回も何回も見渡す。 「何でって僕が知りたいよ。止めても君は聞く耳持たずだったし・・・」 ロンは呆れたようにため息をつく。 ハリーは疑問符をあげ、数メートルに倒れている女性を見た。 「あの人は誰?」 「さぁ・・・死んで、ないよね?」 恐る恐る彼らは近づき、草の上に膝をつき、彼女を見た。 傷だらけで血塗れの彼女は、彼らよりは年上だろうがまだ少し幼さを残す顔つきで、 彼らはもっと大きな疑問符を上げる。 「六年生か七年生くらいかな・・・でも見たことない顔だ。制服でもパジャマでもない・・・」 「そんなことを分析している場合じゃないだろ。・・・・・・・・あの、どうしたんですか?」 一応、意識があるかどうかを確認するためハリーが声をかけた。 すると、薄っすらとだが彼女は目を開き、そして口を開いた。 「・・・ルス」 まるで蚊の鳴くような声。 一回目は全て聞き取ることが出来なかったが、何回も聞いているうちに彼女が発しているのは〈人の名前〉 だということが分かった。 それも二人の苦手・・・というか大がつくほど嫌いな人物の。 「セブルス・・・・・セブルス・・・・・・」 まるでその言葉しか知らないかのように、彼女は魔法薬学教授セブルス・スネイプの 名前を呼び続ける。 「・・・どうすれば良いと思う、ロン」 「僕、スネイプなんて呼びに行きたくないよ。それに、こんな時間なんだから寝てるに 決まってるだろ。でもどうしよう・・・この人をこのままにはしておけないし・・・」 「その必要はない」 低音の声が、闇夜に響く。 聞き覚えのありすぎる声。 振り向くとそこにいたのはセブルス・スネイプだった。 彼は彼らを一瞬だけ己の視界にいれると、次にはもうそこには己と彼女だけしか ここには存在しないかのように行動し始めた。 倒れる彼女を抱き起こし 「」 彼女の名前を呼ぶ。 再び閉じられていた彼女の瞳が、スローモーションのようにゆっくりと開き、 彼をその浅葱色の瞳に映した。 「セブルス・・・」 微かに微笑する彼女に、彼は安堵の吐息を零した。 だがその血塗れの姿に、眉間に刻まれていた皺を一層深くした。 「―――――・・・飲め」 彼女を抱いていない方の手に持っていた小さな小瓶。 彼は彼女を抱きかかえながら、それを瓶の蓋に移し、彼女の口まで持っていった。 しかし、その唇は硬く閉じられ、流し込もうにも流し込むことが出来ない。 「」 強い口調でその唇に透明な液体を流し込もうとするが、彼女は「要らない」と ゆるゆる首を振った。 「寝れば、直るから・・・」 「痛み止めと弱めの睡眠薬を調合したものだ。鉄分も補給できるように作ってある。 そんな傷でゆっくり眠れるとは思えぬ」 「やぁ・・・っ・・」 言い聞かせても頑なに唇を強く閉じ、顔を彼がいるほうとは反対の方向に向ける彼女。 飲まない理由がとても単純だということを彼は知っていた。 彼は「全く・・・」と呆れたように吐息してから、彼女の顎を掴んで無理矢理仰のかせた。 そして蓋一杯に注がれた液体を一気に呷り、その冷えた唇を彼女の我が侭な唇に無理矢理押し付けた。 「・・・ッ、ん・・・んんっ・・・」 小さく洩れる声と一緒に僅かながら唇が開く。 もう閉じないように彼はそこに舌を侵入させ、液体を流し込む。 乱暴に抉じ開けて、液体を流すだけでなく絡ませて。 彼女は送られたものを嚥下した。 喉の動きを見、それに気づいても彼はまだ唇を離そうとはしない。 草の上に押し付け、酸素を求める唇を塞ぎ続けた。 次第に陶酔感が頭の中を占拠し、彼は理性を投げ捨てるのではなく、自我を取り戻し 唇を離した。 彼女は少し荒く呼吸をする。 そして「苦っ・・・」と呟き、目を閉じた。 すぅ、という小さな寝息を残して。 彼は小さく息を吐き、彼女を抱きかかえて立ち上がった。 そして彼らの存在を思い出す。 彼らは唖然とその光景を見ていた。 彼は何事もなかったかのように彼らを冷たい瞳で見 「お前達が何故ここにいるかくらいは想像がつく。減点はしない。だから早く寮へ戻れ。 ここであったことは誰にもいうな。分かったな」 低く低くそう言うと、彼は踵を返し、歩き出した。 残された彼らは、さっき目の前で起きたことを夢だったかのように感じる。 そんな瞳で彼と彼女を見送り、二人がいなくなったと同時に我に返り、そそくさと 寮へと戻っていった。 ++++++++++ あーっとですね、何かババッと書いたみたいです。 良く分からないんです、はい。 こういうのが書きたい!というのもなく、ただ浮かんだものをババッと書いたらこうなりました。 いかがでしたか? 分かんないですよね、話(汗) 続き書けたら書きたいな☆