ラヴ・サクル この胸に秘めた想いを まさかこんなにも早く君に伝えるなんて 思ってもいなかったんだ。 君も驚いただろうけど 一番驚いたのは、この僕自身なんだよ。 ただ何時も通りの帰り際。 君が 「じゃあ、また明日。  ばいばい」 って手を振っただけだったのに なぜか、永遠にさようなら、と言われている気がして 行かないで、と。 背を向けた君の手首を掴んで 「待って、行かないで。好きなんだ!」 なぜだろう。 なぜ、思い込みが激しいにも程があることを思い なぜ、行動を起こして伝えてしまったのだろう。 今日、ポーの詩集を読んでいたからかな? それとも昨日、太宰の作品を読んだから? だって彼は、愛しい人と共に心中しようとして けれど失敗して、愛しい人だけを死に追いやってしまったから。 君は目をぱちくりさせながら僕を見ている。 今のなし、なんて出来ない。 言ってしまったのだから、きちんと伝えよう。 「加地、君・・・・・・?」 「ごめんね、突然。でも本当の気持ちだよ。好きなんだ。さん、君のことが。 永遠にずっと、一緒にいたいくらい」 まだ掴んでいる手首を さっきよりも強く握った。 離したくない、と訴えるように。 怖くない、なんていったら嘘になる。 表では余裕な微笑を浮かべているけれど 内心はドキドキなんだよ。 握った手から、伝わってしまったかな? 想いをしっかりと伝えて。 君の返事を待った。 それほど間を空けずに君は、 ふわりと優しく微笑んで 「いいよ。一緒にいてあげる」 「本当!?・・・・・・でも、僕の事を恋愛感情で好きだと思っていないなら、気を使わなくてもいいんだよ?」 「好きじゃなかったらちゃんとごめんなさいするに決まってるでしょ」 「あっ、・・・じゃあ」 「加地君は私がいないと駄目になっちゃいそうだしね」 君はその言葉を、冗談っぽく言ったのかもしれないけれど それは僕の中の真実だから 「うん、そうだよ。君がいなくなったら死んでしまうから」 「そういうのを、大袈裟、って言うのよ。・・・・・・でも、そのくらい愛されていた方が良いのかも。 そうじゃないと、本当に愛されているのかな?って不安になってしまいそうだから」 「君を不安になんてさせないよ。何だったら毎日抱きしめて耳元で好き、って囁いてあげる」 「ちょっとそれは恥ずかしい・・・・・・」 「じゃあ毎日はやめる」 赤く頬を染めた君はとても可愛くて 今すぐ抱きしめてしまいたかったけど、今日は我慢。 「これからは、さん、って呼んで良い?」 「うん、良いよ」 「じゃあ僕の事も下の名前で呼んで」 「えっ、うん。えと・・・・・・葵、君」 「何?さん」 「なんかちょっと恥ずかしいかも」 「大丈夫だよ、直ぐ慣れるって」 手首を握っていた手を離して その手で君の手を取って 「それじゃあ、一緒に帰ろう」 「うん」 「これから毎日ね。朝も一緒だよ。迎えに行くから」 「うん、待ってる」 繋いだ手は もう離さないで。 離さないから。 同じ歩幅で、同じ速さで歩くため。 そしてお互い 程好い 束縛の 自由ある 愛ある 手枷。  ++++++++++++++++++ 「加地君は私がいないと駄目になっちゃいそうだしね」 という言葉が思い浮かび、書きました。 初、加地くん夢ですね。 そういえば初2年夢だ。 好きです!加地くん。 もっと色々と書きたいです。 いかがでしたでしょうか?
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