A  cute  girl 
                has a mystery?

        
02

放課後のパソコン室。
ここが彼らの集合場所だった。
自分達の正体を知っている者以外に自分達の正体・やっていることを知られては困るので
全ての鍵がロックされていた。


「そういえば、ヒカリちゃん達のクラスに転校生がきたんだってね〜」
ここにいる中で最年長の井ノ上京がテンション高めに話題をだした。
それに一番初めに反応したのは名前を出された八神ヒカリではなく、あの本宮大輔だった。
「葛憂姫ちゃんっていうんだ。京と違っておしとやかで可愛い子だぞ。爪の垢でも煎じて
飲ませてもらえよ!」
「うっさいわね!あたしはヒカリちゃんに言ったのよ!」
「えっ?私ですか?」
ヒカリはきょとんと自分を指差す。
「ヒカリちゃん達って言ったじゃないか!」
大輔は気に食わないようにまだギャースカ言っていた。
それに対して京もまたギャースカ返すので静かにならない。
それをいつも止めるのは
「二人とも少し静かにして下さい」
最年少の火田伊織だった。
精神年齢が逆になっているとでもいうべきか・・・・・・


その時彼らは気づいていなかった。
廊下で蠢く一つの影に。


「中に誰かいるわ・・・二人以上いるわね。どっかで聞いたことあるような声もいるんだけど・・・まっ、いいわ」
それは少女だった。
少女は軽くドアに手をかけ横に引いてみたが、中から鍵がかけてあるので開く気配はない。
「どうしよ・・・っかな〜」
周りをキョロキョロ見回し、周りに誰もいないことを確認する。
そして鞄の中から太さや微妙に形の違う針金のようなものを取り出し
「これを使うしかないわね。えっとこの鍵は・・・・・」
少し目を細めて鍵穴を除く。
「これかな」
一本の針金を選び、鍵穴へと入れて慎重に回し始めた。
カチャリと鍵はいとも簡単に数秒で開き、少女はにやりと笑い、針金を鞄の奥底へとしまった。
「簡単ね」
少女は勝ち誇った笑みを浮かべる。
そして、ドアを開いた。


彼らはまだ気づいていなかった。
少女がいたことも、鍵が開いたことも。
だから、扉が開いて少女の姿を見たとき、彼らはとても驚いたのだ。


「憂姫、ちゃん・・・?」
静かに、高石タケルは少女の名前を発した。
「タケル君・・・?」
少女・憂姫も少し驚いたようにタケルを見る。
そして他の四人も見て
「大輔君・・・とヒカリちゃんもいる」
名を呼ばれた二人は何も言わず、ただただ驚きを隠せぬ表情を憂姫に向けていた。
「確か鍵は閉めたはずじゃ・・・」
「閉めましたよ。ちゃんと僕確かめました」
京の方を向き、伊織は少し大きめの声を発す。
「だったらなんで憂姫ちゃんが開けられたんだよ」
大輔が伊織にそう問うと、伊織は困ったような顔をした。
「そんなこと言われましても・・・」
驚きと恐怖が入り混じった空気の中、憂姫だけキョトンと皆を見つめていた。
そして誰にも気づかれぬよう、くすりと笑いドアを閉めてカチャリと鍵をかけた。
その小さな音にも彼らは敏感に反応する。
憂姫は綺麗に微笑んだ。
それにさえ、彼らは恐怖を覚える。
「何でここにいるの?」
ヒカリが少し震える声を発した瞬間。
「何、この音?!」
京は耳を塞ぐ。
「あっ、私です」
微笑みを浮かべながら、憂姫は平然とした態度で憂姫は鞄の中から携帯電話を取り出した。
どうやらバイブ音だったらしい。
それは電話で、通話ボタンを押して憂姫は携帯電話に向かって言葉を発した。
「もしもし」
その顔はどこか嬉しそうで、傍から見れば〈可愛い〉のだが、電話で話しながら彼らに向けられたその表情に、
彼らはどこか恐怖を覚え慄然した。





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