ちっす。俺、八神太一。 今日は俺の知り合いであり、ヤマトの双子のいも・・・やべっ。これ言うと怒るんだよな。 気を取り直して。 今日は俺の知り合いであり、ヤマトと双子である高石ミコトが転校してきた。 ミコトは凄い。転校初日、しかも教室に入ってから数分しか経ってないのに激しい口調でヤマトと喧嘩し始めた。 しかも、回し蹴り二回付き!周りの目なんて少しも気にしてねぇ・・・! ・・・まぁ、昔っから喧嘩するほど仲が良いって言うし、ほら、あいつら双子じゃん? 双子っつーもんは、他人には分かんねぇ〈何か〉があるって聞いたことがある。 たまにテレビで実験とかしてるのを見たことがあるけど、そこではお互い別々の部屋にいるのに、 まるでテレパシーが二人の間だけ繋がっているように、見せられたものから同じものを連想していた。 他には、ある双子の話っつーので、片方が怪我をしたらもう片方も同じところに怪我したりするっていうのを見た。 この二人の間にもそういうものが存在するのか。 んでもって、二人は仲が良いのか悪いのか、今日一日観察してみようと思う。 02 嵐がきた〈学校編 午前の部〉 一時間目の学活が終わり、休み時間だ。 ミコトとヤマトは10分しかない休み時間も口喧嘩をしていた。 内容は・・・題名をつけるとするなら「双子に兄と妹という関係はいるかいらないか」みたいな感じかな? ヤマトが「俺が先に出てきたんだから兄だ!だからちったー敬え!」 って言ったのに対して「お前みたいなの敬うなんて出来るか!お前を敬うなら強く生きる野良猫を敬うね!」と言っていたのを聞いた。 覚えてるのはそれだけ。 つーか、便所行っちまったから聞いてらんなかったんだよね。 んで、帰ってきたらちょうどチャイムが鳴って二人とも席に着いたというわけ。 そういうとこは二人ともしっかりしてるのかよ!と心の中でつっ込んでみたりした。 二時間目は英語だ。 俺、英語めちゃくちゃ苦手なんだよな〜・・・・・・日本人なんだから日本語しゃべれりゃ良いじゃん! とか思いながら、教科書に目を通す。日本語で書いてある本でさえ眠くなるのに、英語なんてもっと眠くなるに決まってんじゃん! 大きな欠伸をしたら、隣の空に肘でつつかれた。 そうだ!今日はミコトとヤマトを観察するという使命(俺が勝手に決めたんだけど)があるんだから寝てられねぇ。 それに英語の担当の教師は寝てる奴すぐにさしてくるからな。危ねぇ危ねぇ。 宿題あったからどうせそれで指すんだろ?ちなみに俺はやってねぇ! 思った通り、宿題の確認が始まった。 「えぇーと・・・・・・」 周りを見回している。 寝てる奴がいないか探してるんだ。 「いないようだな・・・じゃあ・・・石田。『トムは私に「君の友達と買い物に行く予定だ」と言った』この文を訳せ」 セーフ。指されたのはヤマトだった。ご愁傷様だな。まっ、お前定期テストの順位とか良いんだから大丈夫だろ? って思ったのに 「・・・・分かんねぇ」 と呟いたヤマトは、ただいま教科書と睨めっこ中。どうやらヤマトも宿題忘れみたいだ。 同じじゃん! 英語教師は 「ちゃんと宿題やって来い」 と軽く叱り 「それじゃあ・・・そういえば、石田の双子が転校してきたとか聞いたな。石田双子、何処だ」 ミコトを探す。 俺はこっそり後ろを向いてミコトを見た。 ・・・・・うっわ〜、機嫌悪そ。こりゃ〈石田双子〉と言われてムカついてんな。 ミコトはその不機嫌な顔のまま 「あたしですけど」 声で怒っているのが分かる!声低いよミコト〜・・・お前そんな低くないだろ?! それに言葉だって 「つーか、あたしは石田じゃなくて高石です。・・・で、何すれば良いんすか」 棘があるよ〜。 怖くてミコトを見られなかった。ここで目が合ったら睨まれるに決まってる! 顔はフランスドール並みに綺麗なんだからもうちょっと、さぁ。 御しとやか・・・は違う意味で怖いから、せめてその何時でも誰にでも喧嘩しちゃえそうな性格は 少し改善してくれ〜! ・・・って無理か。 ギャップが激しくなきゃミコトじゃないな、うん。 という結論に行き着いた。 「あー、すまん。『トムは私に「今日君の友達と買い物に行く予定だ」と言った』この文を訳してくれ」 先生もヤマトのときより口調が優しくなってるし・・・やっぱミコトは色んな意味でスゲェぜ。 「あ゛―・・・Tom said to me“I'm going to go shopping with your friend today .”何この文章! トム性格悪っ!そんなんいちいち報告しなくって良いじゃん。変な英語〜」 めんどくさがりつつも流暢な英語を話し、みんなを驚かせる。 文章にしたツッコミは置いといて(俺も思ったけどさ)。 ミコトは座るときに後ろを向いて鼻で笑った。もちろんヤマトに対してだ。 ヤマトは机をバンと叩き立ち上がる。 「どうした、石田。次の解くか?」 「あっ、いや、いいです」 ヤマトはどかっと椅子に座り、ミコトは後ろを向いてヤマトに何か言ってた。 口ぱくで言ってたみたいだから何言ってるか分かんなかったけど・・・ヤマトのムカつき度のパロメーターがあがったのは確かだ。 そして二時間目が終わり、休み時間。 休み時間が始まると同時にヤマトがミコトのところに行く。 また始まる。 「バカとはなんだバカとは。宿題忘れちまったんだからしょうがねーだろ」 「宿題忘れたからってあのくらいその場で解けるだろ?今の時代、英語くらい出来なきゃな〜・・・・・・ 世界に羽ばたけないって。英語が世界の共通語なんだからな」 その言葉が、俺の心にグサッと突き刺さる。 つか、あんな流暢な英語話せる日本人中学生なんてそんないないって! 「そういえば太一、ほとんど英語の小テスト赤点よね・・・・・そういえばヤマトも。 でも、なぜか、ヤマトは定期テスト良いのよね・・・この差は何かしら?」 そして空の言葉もグサリと刺さり、ダブルパンチだ。 喧嘩はまだ続く。 「日本人なんだから英語出来なくったって苦労しねぇーんだよ!」 ヤマト、俺と同じこと言ってるし。 やっぱ普通そう思うよな!心の中で頷いた。 「英語出来るからって自慢すんな!つかお前フランス行ってたのになんで英語得意なんだよ! フランスなんだからフランス語だろ!」 「選択教科で英語取ってたんだよ。それに、英語話せたほうが海外に行ったとき何かと便利だしな。 あと、フランス語だけじゃなくて韓国語と中国語も微妙に分かる」 「お前なんでそんなに色んな言葉話せるんだよ・・・・・・」 呆れ気味にヤマトは問った。俺もそう思う。つか、ミコト天才だ!五ヶ国語とか・・・・・ 俺なんて日本語もたまに注意されるのに・・・・・・。 「韓国と中国にペンパルがいるんだよ。お互い自分の国の言葉を教えあってるから自己紹介くらい出来るぞ。 やってやろうか?」 「いや、良い」 即答。 その返答の速さにミコトは顔を顰めた。 「何だよ・・・あぁ、あたしに劣ってるのを認めるのが嫌なんか。まっ、気にすんな! お前にだって長けてるもんはある!たぶん」 「たぶんとは何だたぶんとは!お前より長けてるものなんてたくさんあるに決まってんだろ!」 その時チャイムが鳴った。 やっぱり喧嘩は中断され、二人は席について用意を始めた。 だから何でそういうとこだけしっかりしてんだよ。不明だ。物凄く不明だ。 三時間目は国語だ!国語はまだ良いかな〜って感じなんだけど、そういやー今、古文やってるんだった。 あれは嫌いだ。昔の言葉なんて使わねぇだろ!何でやんなきゃなんねぇんだよ!それも文法だし・・・・・うわ〜・・・嫌いだ。 とか思ってたら、前に問題みたいなの書いてるし!さすなよ!絶対さすなよ! 俺を指すならヤマトを指せ!それか空! 指されないように頭を低くしていたら、空が呆れたように息を吐いて 「それじゃあ指されるわよ」 と助言してくれた。 俺は助言通り、頭を上に上げ、優等生を装ってみた・・・一瞬だけ。慣れないことは出来ねぇ! 国語教師が教壇に立ち授業が恥じまった。 一番初めに指された不幸者は・・・・・・ 「じゃあ転校生・・・・・確か石田の双子だったな。高田じゃなくて・・・高石!この文の〔こそ〕と〔ける〕の関係をなんという」 ミコトだった。 「う゛―・・・・・・」 小さく唸りながら、教科書をぺらぺら捲り必死になって答えを探している。 これなら俺も分かるぞ!この前の時間に勉強したばっかだし。 国語教師は 「分からないのか」 と問うのに対して、「はい」とミコトらしくない弱弱しい口調で答えたミコトに 「まぁ、一年も日本語にほとんど関わっていなかったんだから古文は難しいか・・・・・・。 昔の言葉だけど学生には重要なところだからしっかりと勉強するんだぞ」 「はい」とミコトは小さく頷くと席に着いた。 先生優しいじゃん!やっぱ人気なだけあるね。頭ハゲてるけどさ。 「え〜っとじゃあ・・・石田、分かるか」 やっぱりミコトの次に指されたのはヤマトだった。 「係り結びの法則」 ヤマトは直ぐに答えることが出来た。 その口元には勝ち誇った笑みが薄っすらと浮かべられていた。 「ちなみに何形?」 「已然形」 「こそ以外にあと何があってそれは何形だ?」 「ぞ、なむ、や、かで連体形。は、もで終止形」 「正解。座っていいぞ。高石、覚えておくように」 「へ〜い」 机に肘を突き、手のひらを頬に当て、不貞腐れながら返事をしたミコトを、ヤマトはふっと笑う。 英語の時間とは反対に、今度はミコトが机をバンと叩き立ち上がった。 「どうした、高石」 「あっ、いえ、何でもないです」 どかっと椅子に座り、ミコトは真剣に授業を聞いていた。 よっぽどヤマトがすらすら答えたことが気に食わないらしい。 そしてまた、休み時間がやってくる。 授業が終わって、教師が行った瞬間、ヤマトはミコトに向かって 「日本語も分かんねぇのかよ」 馬鹿にするかのように言葉を発す。いや、実際馬鹿にしてんだけどさ。 ミコトもその挑発に乗んなきゃクラスは平和なのに、売られた喧嘩は買うからな〜・・・・・・つか、喧嘩っ早い? 去年のフランスでだって・・・じーさんと一緒に素手でデジモン達と戦ってたからな・・・。 あれには正直、唖然とした。 ミコトはその言葉に反応し、後ろを向いて、ギロリと睨み、言い返す。 「うっせー!古文なんて今使わねぇだろ!つか、中一ん時はずっとあっちにいたから古文なんてもんの 存在すら知らなかったんだよ!ずっとこっちで勉強してたお前と、国語の知識を一緒にすんなアホぉー!!」 「負け惜しみか」 「ちげぇー!」 ふっ、と笑ったヤマトに対してすぐさまミコトは叫んだ。 「国際社会とか英語が出来た方が良いとか言ってなぁ、俺達の言葉は日本語なんだぞ。どうせお前、 日本語よりフランス語のほうが得意なんだろ?自分の国の言葉がまともに使えないでどうすんだよ。このバーカ!!」 「日本語なんてなぁ、タケルと話せて可愛い子と話せりゃ良いんだよ!」 知り合いの名前が出て、ハッとした。 そういや、ミコトはタケルと一緒にお母さんに引き取られたんだっけ? 去年、短い時間だったけど話した時にそう言ってた。 その時タケルと一緒だったから、タケルと一緒に始めて会った俺に戸惑うことなく笑いながら、苦笑しながら話してくれたっけ。 あの時のことをちょっと思い出し、しばし、ものに耽っていた。 だから空に呼ばれていることに気づかず 「太一―――!!」 と耳元で大声を出され、やっと気が付いた。 耳がじんじん痛む。 「な、何だよ空ぁ〜。いきなり大声出して」 「あんたが気づかないのが悪いんでしょ。こんな近くで呼んでるのに」 全くもう、と空は腰に手をあて、ふぅ、と息を吐いた。 「わりぃわりぃ。ちょっと考え事しててさ」 「太一が?」 「うるせぇ!」 俺達がこんな話(言い争い?)をしてた頃、ヤマトとミコトはこんなことを話していた。 空が俺の名前を叫んだ声は、ミコトが叫ぶときと同じくらい大きな声だったので、ヤマトとミコトも空の方を見た。 口喧嘩、一時中断。 「また太一怒られてんのか?」 呆れるように息を吐く。すいませんねぇ!どーせ、毎日のように空に怒られてるよ! でもお前も変わんねぇだろ?! ミコトはその言葉を無視して、話を変える。 目は空の方だ。 「・・・なぁ、ヤマト」 「あ、何だ?」 「あの女の子の名前は?あの太一と話してる」 「ん?空のことか?」 「そら?・・・もしかして武之内空?」 「そうだけど・・・」 「あの三年前の憎い話の登場人物の一人か・・・・・・」 悪魔のように黒く怖く、くつくつミコトは笑うと、満面の笑みを浮かべ 「んじゃ、ちょっくら行って来るわ」 「何処にだよ?!」 ヤマトの問いに気づいていないのか、それとも無視をしているのか。 どっちだかは分かんねぇけど、ミコトは俺と空の方へと近づいてきた。 「んで、何?」 「ミコトちゃんのことだけど・・・」 空がミコトの名前を発した時だった。 「お呼びしましたか、お嬢ちゃん」 ミコトは俺と空の間に立ち、空の右手を優しくとった。 「あっ、えっ・・・・・・」 空はミコトの行動に驚き戸惑っているようだ。 「お嬢さん、お名前をなんとおっしゃいますか」 「あっ、えと、武之内空です」 「空・・・・・良い名前だな」 後ろでヤマトが「さっき俺が教えただろー!」とか言っている。 しかし、ミコトは無視!だ。 空のことしか見ていない。 もしかしたら俺がここにいることも気づいていないのでは・・・・・・。 頭の中でそんなことを考えているうちにも、ミコトは空にうんだらくんだら色々言っている。 空の頬が少し赤くなっていることに気がついた。 おい!ミコトは女だぞ! 「どう?こんど一緒にお茶でも・・・」 とミコトが言った時 「何、初日っから女口説いてんだよ!!」 ヤマトの足の裏(正確に言えば靴の裏)がミコトの頭を蹴った。 ミコトはその場で頭を抱えて蹲りながらヤマトを睨む。 瞳には薄っすらと涙が浮かんでいた。 「ってー・・・何すんだよ馬鹿ヤマトぉっ!」 「馬鹿はどっちだ!女口説いてどぉすんだよ!お前も女だろ!?」 「別にいいだろ。あたしの・・・・・・」 その言葉の続きは聞くことが出来なかった。 チャイムが鳴ってしまったからだ。 二人ともチャイムが鳴り出すと同時に席に着き、次の時間の用意をする。 この切り替えの早さは学校中の誰にも負けないだろう。二人とも変なとこで馬鹿真面目なんだから。 チャイムが鳴り終わると同時に数学の教師が来た。 バーコードはげの中年親父だ。 俺こいつ苦手なんだよね。 怒るとぐちぐちうっせーから数学だけは気が抜けねぇー! 今俺達は数学教師がやれと言った問題をごりごり解いている。 なんだよ証明って! 三つの辺が等しいとか一辺とその両端の角とか・・・基礎は分かるんだけど、この2問、無理。 ぐわぁ〜〜〜〜!!頭が捻じれてきたぁ〜〜〜っ!! 俺がそいつらと必死になって戦っていたのに、数学教師は 「もう良いな」 とか言いやがった。 俺まだ解けてないって!あと三十分あっても解けそうもないけど・・・ こいつ、指して前に出して書かせるんだよ。 俺無理!指すな、指すな!・・・うわっ、こっち見やがったよ。 やめろよ、やめろ!うわぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!! ・・・・・・とか心の中でパニくり叫んでたら、指されたのは俺じゃなかった。 セーフ。どうやら俺の後ろを見ていたらしい。 「じゃあ、転校生。それとその双子の兄か?弟か?まぁ、どっちでも良いか。石田、この問題を解いて」 「「はっ」」 発された二人の言葉・・・というか怒り?が重なる。 「何か文句はあるか」 バーコードはげ親父は厳しい目で二人を見る。 いや、そんな厳しい目で見たって、バーコードはげってところであんたの顔ギャクだから。 「別に〜。ただ、この学校は転校生指すのが流行ってるのかな〜と思いまして」 「そしてその双子の俺を巻きぞいにするのが流行っているんかなと思いまして」 「つ〜かさ・・・なっ、ヤマト」 「だな」 二人はアイコンタクトをとる。 やっぱり〈仲良いんだ〉と思った。 「双子って呼び方止めてくれません?」 「俺達苗字違うし、ちゃんと名前あるんで」 二人同時ににこりと笑む。 怖い。 二人が怒っているのがひしひしと伝わってくる。 クラス中に嫌〜な空気が流れ出した。 ひやりと冷たい空気が感じられる。 「あー、すまんすまん。じゃあ、えーっと、高石と石田。前に出て解け」 数学教師は軽〜く謝ると、今度はしっかり二人を区別し苗字で呼んだ。 「へ〜い」 「めんどくせ」 二人は嫌そうにだらだらと前にでてチョークを持ち、並んで問題を解き始めた。 二人とも、解けたんだ・・・。 ヤマト、解けたんだ・・・。 なんか悔しかった。 二人ともすらすらと答えを黒板に書いていく。 ヤマトもまぁまぁだけど、ミコト字ぃ上手いな〜。俺の字汚いからな〜・・・たまに自分でも読めないときあるし。 走り書きとか。 その時、ミコトは手を滑らせたようにヤマトの問題の上にチョークでシュッと曲線を描いた。 「悪ぃ悪ぃ。手ぇ滑っちまってさ」 ヤマトはむっとしながら黒板消しを取り、その線が書かれた所を消して書き直した。 そして、手を滑らせたようにミコトの問題の上をヤマトが持っている黒板消しが滑る。 問題が消えた。ヤマトがチョークで書かれたのと同じくらい。 「悪ぃ悪ぃ。手ぇ滑っちまってさ」 一言一句間違えず、ヤマトはミコトがさっき発した言葉を繰り返す。 「何すんだよ!」 ミコトは怒りを露わにした。 「お前がわざと俺の問題の上にチョークで書きやがったのが悪ぃんだろ!」 「わざとじゃねー!ちゃんと謝ったじゃねぇか!」 二人は睨みあい「ふん」とそっぽを向いてからまた問題を書き始める。 書きながらミコトがヤマトの足を蹴った。 ヤマトも蹴り返す。 ミコトも蹴り返す。 ミコトの拳がヤマトの肩に当たった。 ヤマトの拳もミコトの肩に当たる。 それが繰り返される。 口喧嘩なしの、静かな格闘。 問題を進めながら行われる喧嘩はある意味見物だった。 問題を書き終わると同時に喧嘩は止まり、二人とももう一度睨んでっから席に着いた。 数学教師はやれやれと首を振りながら教壇に立ち、二人の解いた問題を見、大きく丸を書いた。 「申し分ない」 つまり、これくらい書ければテストでは減点なしの満点がもらえるってことだろう。 授業は少しの解説がされてから、チャイムと同時に起立礼で終わった。 さぁ、給食だ! あー・・・てか、給食の時間もあいつら喧嘩すんかな〜・・・。 給食の時間はやめてほしい! サッカーの次に大好きな時間なのに。 今日はカレーなんだよな〜。 楽しみと不安が入り混じりながら、午前の部終了!  ++++++++++ 英文:桐原書店 Forest 参照    中2じゃ絶対習わない!!
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