〔危ない〕の一言じゃ片付けられない人が東方にいる・・・・・・
『傷の男』
国家錬金術師ばかりを狙う男。
うわさは東方まで流れてきていた。
でも、東方に来るなんて・・・
よりによって彼らがいるときにいるなんて・・・
「エド、アル!」
話の邪魔をしてはいけないと、小さな声で叫んで
誰にも分からぬよう、部屋から抜け出し駆け出した。
危ない。
エドは名を知られすぎている。
『鋼の錬金術師』
見つけなくちゃ。
早く。エド、アル、どこ!?
速度はあがる。水が跳ねる。
雨に打たれて、軍服が濡れる。
そんなの気にしない。
彼らの安全確認、避難が第一。
『 The Future Continues 』
〜傷の男〜
我武者羅に走る。
どこを走ってるかなんて分からない。
無闇に名前を呼ぶのは危ないから、見落とさないように左右を交互に見る。
「どこ・・・エド・・・アルっ」
呟いたときだった。
耳に届く、騒がしい人々の声。
その中の張り詰めた静寂、鐘の音。
微かに聞こえたエドの声は、雨音に掻き消されていった。
「今の声・・・どこから」
立ち止まって辺りを見渡す。
エドとアルの姿は見えない。
しかし、騒々しさは少しずつ増してきているようだ。
逃げるように走っている人もいる。
つまり、その人達が行く方向と反対の方向に行けば・・・いる!
そう確信した私はまた走り出した。
時計台の前を通り、左右を見ながら前へと進む。
無事でいて・・・!
ゴン
何かが破壊され、崩れる音が耳へと届いた。
私は急ブレーキをかけ、後ろを振り向く。
それらしきものは見つからない。
ということは、家と家の間にいる。
息を呑んで、元来た道を走り出した。
少し走ると、人工的に崩されたと思われるコンクリートが目に入った。
不自然な場所にあることから、エドかアル・・・もしくは傷の男が作り、その中の
誰かが壊したのだろう。
下へと向けた視線をゆっくりと上へ向け、前を見る。
気配を感じた。
人の。
一般人じゃない、人の。
殺気、恐怖。
「!」
視線の先には三人の人間。
エドとアルがこちらを向いている。
だが、私に背を向けている彼・・・きっと傷の男だろう人に全神経を集中しているらしく
私には気付いていない。
危ない。
助けなくちゃ。
逃げなくちゃ。
考えるよりも先に足が進んだ。
前では戦闘が繰り広げ始められている。
傷の男はエドとアルの攻撃を素早く避け
「だが遅い!」
右手で、アルの右半分を破壊した。
「・・・・・・っ、アル、アル!!」
私はアルへと駆け寄る。
怒り狂うエド。
その攻撃を難なく止める傷の男。
駄目。
分が悪すぎる。
膝を付いてアルに問う。
「大丈夫!?」
「!何でここに」
大丈夫そう。
ほっ、と胸を撫で下ろした。
「国家錬金術師ばっかり狙っている男が東方にいるっていうことを聞いたから見つけに
来たのよ!」
私は立ち上がり、傷の男を見た。
男も私を視界へと入れる。
「ヴィ、ア・・・・・・」
サングラスをかけているので瞳は見えない。
しかしその声色は、私の名を〔知っている〕と告げているように思えた。
「!逃げるんだ!」
叫んだエドを横へと突き飛ばして、男は私の許へと速歩きで歩み寄った。
私は身構え、右腰の銃を握った。
彼は立ち止まり、私を見下ろし発した。
低い低い声を。
「父の名は何と言う」
「・・・え?」
「お前の父の名を聞いているんだ」
何故あなたにお父さんの名前を問われなければならないの。
知ってるの?私のお父さんのこと。
幾つもの疑問が浮き出し、それらはくっつき大きな疑問となっていく。
疑問は渦を巻き、彼への恐怖を消し去り、ある意味興味へと変えていった。
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スカーさん登場です!
スカーさんはですね、けっこ重要ポジションですよ。
好きなキャラだからってわけではないです。
考えてたらそうなった(苦笑)
まだ原作沿い続きます。
まだまだ。まだまだ
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