BACK/ NEXT『 The Future Continues 』 〜合成獣と人体練成〜 今日の事件の書類や報告書などの仕事を片付けながら、隣に座るアルと他愛もない話をしていた……ら。 突然、ガチャリと扉が開いた。 「っ」 そこに立っていたのは、鋼の錬金術師であり、私の幼なじみのエドワード・エルリック。 眉間に皺を寄せた、いかにも不機嫌そうな顔をしながら私の方へと歩いてくる。 「何で置いていったんだよ!の所為で大佐と二人で車に乗ったんだぞ!いいか。 大佐と二人っきりだぜ!」 「それはエドと大佐が悪いんでしょう?子供みたいなこと始めだして…」 「あれは大佐が悪いんだ!」 「その挑発に乗ったエドも悪い」 私のその一言に、エドは「うっ…」と黙りこくった。 そして「そうだ」と何かを思い出したかのように顔をあげ、私の腕を掴み引っ張った。 私は反射的に立ち上がり、アルも釣られて立ち上がる。 「大佐んとこ行くの着いてきてくれよ」 「えっ?だって仕事が………」 と、行かない素振りをしてみたが 「そんなの持っていけば良いだろ」 強引に引っ張られ、大佐のいる執務室まで連れて行かれることとなった。 執務室に入ると、エドは偉そうにソファに腰掛け右肘をついて口の端をあげて 勝ち誇ったように笑んだ。 アルはその隣のソファに座り、私はテーブルの所のソファに腰掛け、持ってきた仕事をやり始める。 話しているのはエドと大佐。 連れてこられてのは良いけど、私はここにいる意味があるのだろうか。 と、思ったけど口には出さない。 だって、少しでも長く、エドとアルと一緒にいたいから。 大切な幼馴染。 たまにしか会えない、家族のような、大切な。 「今回の件でひとつ貸しができたね、大佐」 「………君に借りをつくるのは気色が悪い」 大佐は苦笑いを浮かべた。 「いいだろう。何が望みだね」 大佐は左肘をついて、大きな溜息をついた。 そのエドの望みは 「さっすが♪話が早いね。この近辺で生体練成に詳しい図書館か錬金術師を紹介してくれないかな」 というものだった。 「今すぐかい?せっかちだな、まったく」 と、ぼやきながらも大佐は立ち上がり、書類が並べられてあるところから一冊の冊子を取り出した。 後ろで「オレたちは一日も早く戻りたいの!」とエドが言う。 ただ、投げ捨てるように言われた言葉。 しかしそれは、とても重く深い意味を持つことを私は知っている。 私も同じ『罪』を持った人間だから。 その後。 大佐はエド達に『綴命の錬金術師 ショウ・タッカー』氏を紹介することとなり、 私はまた強引に車に乗せられ、同行することとなった。 私は行かなくても良いと思うんだけどな〜……… 「〔綴命の錬金術師〕ショウ・タッカー。二年前、人語を使う合成獣の練成に成功して 国家錬金術師の資格をとった人物だ」 車内で大佐が書類を読みながら、ショウ・タッカー氏について説明する。 「人語を使うって………人の言葉を喋るの?合成獣が?」 信じられない、という風にエドが言う。 それには私も同感で、心の中で賛同した。 「そのようだね。私は当時の担当じゃないから実物は見てはいないのだが、人の言う事を理解し、そして喋ったそうだよ。 ただ一言「死にたい」と。その後、エサも食べずに死んだそうだ。まあ、とにかくどんな人物かは会ってみることだね」 エドはさっきの表情のまま、声をださずに驚いていた。 「合成獣の練成、ね………」 まるで何の問題もないかのように発されていた合成獣の練成。 つまり、禁止はされていないということ。 何で? 疑問はするりと口から呟きとなって発されていた。 それに隣の大佐は気付いたようで「どうかしたか?」と問うてきた。 エドがじろりと大佐を睨んだのが分かったが、何時ものことなので敢えて反応は示さないで 大佐の疑問に対する言葉を発し始めた。 「いえ。ただ、動物…と言いましても人語を喋ったようですが。そのような合成獣を練成するのと、 人間を練成するのはどこが違うのだろうと思いまして。だって、どちらも生きているじゃないですか」 「そうだな…」 私の言葉に大佐は静かに頷いた。 そしてそのまま黙りこくった。 エドとアルも、何も話さない。 だから私もそれ以上何も言わなかった。 死んだ人間を練成するのは禁忌で 生きた動物と動物を合体させるのは問題なし。 それによって、動物達が死に追いやられても。 人間は、動物の中で一番偉いのだと言っているようで、少し嫌悪した。 ++++++++++++ そんな重要性のない話のようですが、少しはあるんです。 人体練成と合成獣についての主人公の発言です。 それのみですね、はい。 次は原作から少しずれます。