BACK/ NEXT欺くして、私達は軍部に到着したのた。 ちょっと可哀想だったから、中尉には報告だけにしておいて、お説教は止めてもらった。 大佐はホッと一安心したみたい。 でもね、そんな大佐に中尉は罰を出したの。 『 The Future Continues 』 〜後日談〜 「明日中にこのお仕事を終わらせなかった場合、一週間少佐に近付くことを禁じます」 ドン!と大佐の机に今まで溜めたお仕事を置いて、威厳たっぷりに中尉は言葉を発した。 たまに、大佐と中尉、どちらが上官なのか分からなくなる……っていうのは禁句ね。 「何故だ!少尉は副官であるのだからそれは無理に決まっているだろう」 「その辺はしっかりと考えておりますのでご心配なさらないで下さい」 「どういうことだ。説明し「大佐はこの溜めたお仕事を終わらせることだけ考えていれば良いのです」 「はい……」 一瞬、中尉が大きくなって、大佐が小さくなったように見えた。 中尉と執務室を出る時、ぼそぼそと仕事を始めた大佐を見て、少し可哀想になった。 でも、元気付ける言葉が見つからなかったので 「頑張って下さいね」 笑顔でそれだけ言っておいた。 嫌味、って取られちゃったかな? その不安は無駄だった。 大佐は翌日、しっかりと仕事を終え、私と中尉を執務室に呼び出した。 「これで良いのだろう」 「はい。何時もこのくらいやる気を出して下されば宜しいんですけどね」 中尉はハァとお疲れの息を吐いた。 大佐はそんな言葉無視で、自慢げに笑みながら 「少佐が応援してくれたからな。これは期待に応えなければだろう」 私を見た。 「応援ですか?」 自分を指差し首を傾げる。 「あぁ。君も私と一週間も離れるのが辛「あっ、あれですか。あれはですね、大佐がちょっと可哀想に思えたので 元気付けようと思ったんです。別に、一週間くらい大佐に近付かなくてもお仕事に支障がなければ大丈夫ですよ」 〔応援〕が何を指しているのか分かった私は、笑顔を浮かべながら言葉を発した……ら、 大佐は一気に暗くなってしまった。 赤から黒へ。天から地獄へ。 「えっ、あの、私何か言いましたか」 「少佐、お言葉には気をつけましょうね」 優しく微笑され、私は戸惑いながらも、心の中で喜んだ。 中尉の笑顔、大好きだから。 中尉の言葉から、私はどうやら大佐に酷いことを言ってしまったらしい。 でも、それが何なのか分からなかったので、遠慮気味に 「えっと、私何か悪いことでも……」 問うてみたら、中尉は耳元でそっと囁いた。 「大丈夫よ。でも、お仕事に影響されると困りますので、一応謝って下さい。少し大袈裟に」 「あっ、はい」 小声で頷くと、私は一歩、大佐に近付いた。 「大佐………」 胸の前で両手を組む。 大佐はゆっくりと顔を上げた。 「すいません…大佐のお気持ちを考えずに酷いことを言ってしまって」 少し大袈裟に。 中尉の言葉を思い出し、言葉を続ける。 「大佐と一週間も離れるの、やっぱり寂しいですよ」 すると大佐はまるで水を得た魚のように、表情を取り戻した。 「そう言ってもらえて、嬉しいよ」 微笑を浮かべて。 あまりにも素直な言葉だったので、ちょっとドキッとした。 ん?ドキッ?………ん? 自分の心の中に訪れた小さな変化。 でもそれが何なのか、この時の私は分かっていなかった。 「では少佐、戻りましょうか」 「はい」 中尉の後に続いて、執務室を出た。 「少佐」 「何ですか?」 部屋に戻る途中、中尉は優しく微笑しながら私に言った。 「自分の心に、もう少し敏感になりましょうね」 「え?」 中尉が発した謎めいた言葉。 私はそれに対して大きな疑問符をあげながら、仕事場の扉を開いたのだった。 +++++++++++++++ 「車内騒動」の後日談です。 初めは車内騒動と一緒にしてしまおうと思ってたのですが 異様に長くなったので分けました。 書き溜めはまだあるので、ちょっと精神的に安心してます(苦笑)