The Future Continues
消えかけていた予感は、形を成して、私の前へと現れた。
ねぇ、どうして我が子を殺すの?
愛しさはカケラもないの?
知ってる?
家族は掛替えのない存在だってこと。
『 The Future Continues 』
〜いかないで〜
タッカーさん……こんな人に〔さん〕付けするなんて勿体無いと思う自分がいる。
でも、自分も似たようなものなのかもしれない。
こっちの人の方が悪いとか、まるで自分の犯した罪を軽くしようと思うようなことを
思ってしまった自分に嫌悪した。
タッカーさんが合成獣の練成に成功した。
自分の娘と犬を合成させて。
〔人の命をもてあそんだ〕
私も一緒。
一緒じゃないって考えたいけど…あなたとは罪を犯した理由が違うのって言いたいけど
そんなの綺麗事。
〔人体練成〕は故人が望んだわけではない。
生きている…残された人間の己の欲望によって行われること。
だから一緒。
最終的には同じ〔禁忌〕へと繋がっている。
そう言い聞かせても、私の心の根っこの部分は賛同していない。
傷ついている、壊れている。
自分の実の親によって殺された子供。
雨に打たれる。
私と、エドと、アル。
後ろに大佐と中尉。
階段で、アルの一段上に座って、膝を抱えるように、震える手を組む。
「お父さん………」
呟いた声は、誰かに聞こえたのだろうか。
私には聞こえた。
心の中で。
幼い日の私が、涙を流している。
「いつまでそうやってへこんでいる気かね」
私達の横を通り過ぎていった大佐。
行かなくちゃ。
思っても動かない体。
まるで石畳くっつけられているような。
「……うるさいよ」
「軍の狗よ悪魔よとののしれられても、その特権をフルに使って元の体に戻ると決めたのは君自身だ。これしきの事で立ち止まってるヒマがあるのか?」
エドに向けて発された言葉なのに、耳から胸へと響き渡る。
そうだよ。
私だって、軍を〔求めて〕軍人になったんだから。
〔これしき〕のことでこんなになっては駄目。
これから先、似たような境遇に何回遭うかなんて分からないんだから。
強くならないと……強く…
言い聞かせて返ってきたのは、あの日の父の表情。
殺意と憎悪。
その中に一筋でもの愛情は存在したのだろうか。
「「これしき」……かよ」
エドは濡れたパーカーをぎゅと握る。
悔やんで悔やんで、悔やみきれないと声色は言っている。
「ああそうだ。狗だ悪魔とののしられてもアルとと三人で元の体に戻ってやるさ。
だけどな、オレたちは悪魔でも、ましてや神でも何でもない」
ずっと膝を抱えていたエドが立ち上がった。
そして叫んだ言葉は
「人間なんだよ。たった一人の女の子さえ助けてやれない、ちっぽけな人間だ……!!」
心に響き渡った。
「…………カゼをひく。帰って休みなさい」
きっと大佐の胸にも響き渡ったのだろう。
良い意味でかは分からないけど。
また階段を降り始める大佐。
追いかけなくちゃ。
私は立ち上がった。
足はまだ立ち上がることを距離するかのように震えている。
でもここで立ち上がることが強くなるための第一歩。
「待って、下さい…!」
自分では大きな声を発したつもりだったのに、耳が捉えた声はとても小さくて驚いた。
大佐はその声に気付いたようで、ゆっくりと私を振り返る。
早く来い、とでも言ってくれるのかと思った。
しかし
大佐の口から発された言葉は、予想外の言葉。
こんな事、大佐の口から聞くなんて思ってなかった。
「君も帰りなさい」
「えっ………」
「鋼のと一緒に君も帰れと言っているんだ」
絶望の淵に立たされた気がした……っていうのは大袈裟かもしれない。
でも、そのような感じを覚えた。
「何故です…一緒に行ってはいけませんか?足手纏いですか?」
大佐は暫く私を見つめた。
そして、閉じられた唇をゆっくりと開いた。
「そうだ。今の君は足手纏いだ。何の役にも立たん」
「そんな…っ」
上手く言葉が発せない。
言葉を考えられない。
「今の君には休養が必要だ」
そういうと、私に背を向けて
「明日からまた働いてもらうよ」
大佐は中尉を連れて、私の元から消えていった。
絶望の淵から落とされた。
本当に、そんな感じ、今の私。
「大丈夫、?」
心配そうに、アルは立ち上がって私の顔を覗いた。
「見捨てられちゃったかな……呆れられちゃったかな、私」
天へと顔を向けた。
雨で顔を濡らすために。
涙を流していることを気付かれないように。
……何で私泣いてるの。
あの日から一度も泣いてないのに。
何で?弱いから?
「強くなりたい……」
両手で顔を覆った。
大佐が私の身を案じて言ってくれたのは分かってる。
でも、何でこんなに苦しいの。
何でこんなに………胸が、痛いの。
今日の私、変だ。
変なこと考えてる………
今、大佐と一緒にいたい。
何?この願望。
おかしい、私。
「行こう、」
「行くぞ…」
エドが私の腕を掴み、石畳を降り始めた。
伝わってくる温もり。
でも、今の私が欲しているのはコレじゃない。
今、私の胸を渦巻く感情は一体何なのですか。
誰か、誰でも良いから
この無知な私に教えて下さい。
この感情を表す言葉を。
++++++++++++++
ここからシリアスに入っていきます。
シリアス8でギャグなど2くらいでしょうか?
7:3かな?
そんなのどうでも良いですね。
新たな真実が解き明かされます!
とか言っても、まだ書いてないんだよな……今言ったことはなしにして下さい(土下座)
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