「えっ、生まれる!?」
第一子の誕生間近。
予定日よりちょっぴり早めのある日。
授業は後半に差し掛かっていた頃、廊下から金澤に手招きされ、生徒に「ちょっと待っててね」と言ってから行くと、それを伝えられた。
もうすぐ生まれそうだ、と。
結婚してから早1年。
愛しい、愛しい愛しい妻の初めての出産には絶対に立ち会おうと思っていた。
「(予定日より早くなったり遅くなったりするのは聞いてたけど・・・ちょっと待って、まだ、
心の準備というか・・・・・・ていうか、早くのところに行かないと!)」
それを聞いてからはもう頭の中はそのことだけで。
授業は上の空。
「火原先生、どうしたんですか?」
「どうしよう・・・」
「何が?」
「生まれるんだよぉ〜!あぁ、早く行ってあげないと!!」
もはや教師とは思えぬ取り乱しように、笑ったり呆れたりする生徒達。
と、ちょうど良くチャイムが鳴り、授業の終了を告げ始めた・・・・・・と、共に
「よっし、今日の授業は終了!じゃあね!!」
挨拶もせず、駆け出していってしまった。
そんな火原が一番初めに向かった場所は
「校長先生!」
ノックもなしに乱暴に扉を開け、校長室へと入る。
校長は驚き顔をあげ、火原を見た。
「どうしたました、火原先生」
「今日はもう俺のもつ授業ありませんので、早退させて下さい!いえ、駄目と言われてもしますから!生まれるんです!!」
「あぁ、そうらしいね。おめでとう」
「ありがとうございます!じゃあ、さようなら!」
「えっ、あぁ、ちょっと、火原先生!・・・・・・行ってしまった。まぁ、初めての子みたいだし、しょうがないといえばしょうがない、か」
そして火原は職員室へ行き、帰る支度をして
「火原、もしかしてお前さん、行くのか?」
「決まってるじゃないか、金やん。じゃあね!」
「廊下は走るんじゃないぞー・・・・・・って、聞こえてないか」
職員室も飛び出して、車に乗り込み、学校を後にしたのだった。
後日
生徒達からはの顔を見せろやら子供の顔を見せろやら迫られ
金澤には軽く説教をされ
校長には今度連れてきなさいと笑顔で言われ
そしてには呆れられながらも微笑まれた・・・・・・が
「私とこの子のために一生懸命になってくれてありがとう。でも、次の子が出来た時は
ちゃんとやるべき事を終えてから来て下さいね」
と、念を押されたのだった。
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・・・・・・ノーコメントで(汗)
こういうことしそうだな、と思ったもので。
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