君を好きだと気付いたのは、つい最近。 君の笑った顔を見ると胸がドキドキしたり 君の事を考えるだけで呼吸するのが難しくなるこれが 恋だと知ったのは。     phrase.4 日野ちゃんと柚木の婚約騒動の次の日 学校でその日のことを柚木と話していたときに 「じゃあさ、柚木はあの子と結婚するの?」 「んー・・・たぶんしないと思うよ。彼女は婚約者候補の一人だからね」 「婚約者候補ぉ〜?」 「あぁ。うちと昔から縁の深い家やお得意様のお嬢さん達が色々とね。 結局、お祖母様がお決めになるのだけれど」 あまりにも浮世離れしすぎた会話で、俺はすげぇとかしか思うことが出来なかった。 大変なんだな、お金持ちも。 俺、普通の家に生まれて良かったかも。 「あぁ、そうだ」 そんなことを考えていたら、思い出したように柚木は言葉をつけたしてきた。 出来れば聞きたくなかった。 「ちゃんもその一人なんだ」 「えっ・・・・・・・・・」 「昨日の子よりは、ちゃんの方が可能性が高いかな?」 「な、何の?」 「結婚する可能性さ」 聞きたくなかった。 でも、聞いて全てが繋がった。 だから、柚木とちゃんは知り合いで良く話もして 柚木はちゃんを伴奏者にして そしてちゃんは、柚木に迷惑をかけるのを拒むんだ。 自分のヘマで、家にまで迷惑かけたくないから。 だって、政略結婚って家と家同士の結婚ってことでしょ? 全てが繋がって 嫌だと思っている自分に気付いて あの笑顔を、涙を、全てを何時か、もしかしたら独り占め出来るかもしれない柚木に 嫉妬している自分に気付いて 気付いたんだ。 好きなんだ、俺。 好きになっていたんだ。 ちゃんのこと。 気付いて。 でも、住む世界の違う俺じゃ太刀打ち出来ないことを知って。 悩んで、悩んで・・・・・・・・・そのまま臨んだ第3セレクションはぼろぼろだった。 そして、セレクションが終わって 夏が過ぎて秋が過ぎて 冬になった。 特に進展のないまま、ただの先輩後輩の関係のまま この学校を卒業する日が刻々と近付いてくる。 気持ちを伝えようと思ったことは何度もあった。 けど、住む世界が違うところとかあの日の柚木の言葉とか 色々なものが邪魔をして、言い出せずにいた。 ずっと長いこと、心で葛藤を繰り返しながら 俺は今日も、屋上へトランペットとカツサンドを持って行って。 ちゃんに会えたら良いな、って淡い期待を抱きつつ こんなウジウジした気持ちで卒業なんて出来るか! って思いながら、勢い良くトランペットを吹いていた。 君に会いたい、君に会えたら良い・・・・・・ねぇ、来てって思いながら そしたら カチャリと扉が開いて 冬の寒い冷気が舞う中 長い髪を躍らせて、君が現れたんだ。    ++++++++++++ 書いたものを読み返してみて 「少女漫画みたいだな・・・・・・」 と思いました(苦笑) 友達と 「火原は想っても最終的に報われなさそう」 原作について話していたので 「火原先輩には幸せになってほしい!!というか良いお父さんになるはずだ」 と思ったので、久しぶりに書き始めたら書けた作品です。
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