告白して直ぐに。
卒業式を迎える前に。
君は旅立ってしまった。
遥か遠く、イタリアへ。
それを聞いたのは、卒業式の日。
柚木から知らされた。
その時、もう君は日本にはいなかった。
さよならも、いってらっしゃいも
何も言えなくて
笑顔の君を、もう一度見たいって思っていたのに
最後に見た君の表情が
涙なんて
あんまりだよ。
そう思って見上げた空は
ムカつくくらい、久しぶりに晴れ晴れとしていた。
phrase.6
これが、高校生の時の恋の想い出。
初恋の想い出。
まだそれを引き摺っているのか、俺は今だに好きな子も彼女も出来ずに
大学での四年間を終えようとしていた。
* * *
チャイムが鳴った。
今、家には俺以外誰もいないので着替えていた俺は急いでTシャツの上にジャージを羽織って
「はいはい、どうぞ!って、えっ・・・・・・」
急いでいたから、誰が来たのか確認する事もなく扉を開いてしまった。
そこに立っていた人を見て、俺は目を見開いた。
「久しぶり、火原」
そこにいたのは柚木だった。
たまに連絡はとっていたけど、卒業してから学校も変わり、全く会っていなかった。
「久しぶり。どうしたの、一体」
声は震えていないか気になった。
柚木を見ると、絶対あの子を思い出すから。
記憶に映る最後の写真で、涙を流す君の姿を。
「勤務先が星奏学院に決まったんだってね。おめでとう」
「さんきゅ!・・・って、何で知ってるの?」
「つい最近、偶然金澤先生に会ってね」
「あっ、そっか!・・・・・・やっぱり金やんって呼ぶのは不味いかな?でも今更金澤先生とか違和感ありすぎだし!!」
「たぶん金澤先生も火原と同意見だと思うよ」
柚木はくすくす笑った。
・・・・・・てかさ、何でいきなり柚木、俺んち来たんだろ?
お祝いの言葉を言うため?それだけならアドレスもケータイの番号も知ってるんだから
そっちで良いじゃん?
どうして・・・・・・・
「・・・てか柚木、それだけ言うなら電話とかだって良かったんじゃない?柚木忙しいんだろ?家のこととか」
「そんなわけないだろう。ちゃんとプレゼントを持ってきたよ」
「マジ!?」
「あぁ」
柚木は微笑むと、後ろを向いて
「さぁ、入って」
誰かの手を掴んで、俺の前へ行くよう促した。
どうやら開いた扉の向こう側に隠れていたみたいで、今まで人がいるなんて気がつかなかった。
促されて、俺の前に現れたのは
「えっ・・・・・・・・・」
「お久しぶりです、火原先輩」
「、ちゃん」
初恋の子だった。
++++++++++++
再会。
火原は大学4年生。
だから22歳?
主人公は20歳設定です。
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