「・・・・・・ということじゃが、私はあの子を生徒として受け入れようと思う」 「私は賛成です。来たばかりのときはとても冷たく暗い目をしていましたが、 だんだんと自分以外の人間も受け入れるようになりました。同年代の子供達との 交流を深めさせ、人間性を養わせた方が宜しいと思います」 その言葉に、批判の声が飛ぶ。 「我輩は反対です。あやつは危険だ」 「そ、そ、そうですよ。も、もしせ、生徒達にき、危険があっただど、どうするんです」 霜髯の、おそらくこの中で一番の権力者だと思われる老人は息をはく。 「親の了承は得ている。大丈夫じゃ。もしそのようなことが遭ったときには、全責任をわしがもつ」 その瞳は、一つの揺るぎのないものだった。 囚われの悪魔なお姫様 「・・・・・・話は分かったかの」 老人は、豪奢な家具で彩られた部屋の片隅に置かれている揺り椅子に腰掛けている 少女に問うた。 等身大に近い、百四十センチほどの背丈。絹とレースをふんだんにあしらった贅沢な衣装に身を包み、長い見事な 金の髪を床に垂らしている。 少女の顔は、世間で「美少女」と言われている少女達の輝きを全て奪ってしまいそうなほど整った顔つきで、 それは一瞬、そこには人形が座っているのではないかという錯覚を覚えるほどのものだ。 少女は絹のような長い金の髪を、透き通るように白い手で掻きあげる。 そして今まで老人の話と同時進行で読み進めていた難解な書物を閉じ、紅を塗らなくとも紅く映える唇から、 少女の幼い姿からは想像できない、とても落ち着いた大人の女性のような声を発した。 「つまり、私はこの檻からでられるのだろう」 「そういうことじゃ。しかし、学園からは出られないがの」 少女は冷め切った紅茶を一口、口に含み喉を潤わせた。 「良いのか。私の魔力はあの頃と比べものにならぬほど強くなっている。今度は死者がでるかもしれんな」 少女は楽しそうに笑う。 その言い方はまるで、自分を他者と見ているようだ。 「大丈夫じゃ。わしはお前があんなことにもうならんと信じている」 少女は疑いの目を向けながらも、奇麗に微笑んだ。 「私など信じないほうが身のためだ・・・・・まぁ、期待に応えられるよう少しは努力をするよ」 その言葉を聞くと、老人は嬉しそうに微笑み、席を立った。 「入学式は明後日じゃ。明日には必要な物一式を届ける。まぁ、お前さんには教科書など必要ないと思うがの」 そう言い残し、見事な金彫刻の施されたドアノブをまわし、部屋を後にした。 残された少女は「ふむ」と立ち上がり、豪奢な箪笥からこれまた豪奢な宝石箱を取り出し、 揺り椅子の横に置いてある白を基調とした丸テーブルの上に置き、そこから少女の眼球のように深く、 透き通るように輝くエメラルドが嵌め込まれた指輪を取り出した。 それはエメラルドの美しさを最大に生かし、派手にならぬよう計算されているようだった。 それを嵌め込み、窓から差し込む月光にあて、満足そうに微笑む。 「どうやら私の願いは叶ったようだ」 指輪を愛しそうに撫でる。 「あいつが来る。あいつに会える」 指輪を元に戻し、箪笥にしまい、ベッドに腰掛ける。 「やっとあの指輪を返すことが出来る」 ベッドの横にある机の上の写真を見、呟いた。 「」 そのまま少女は横になり、杖を持ち、呪文を唱えた。 すると、ベッドの横に山積みになっている本から一冊の本が抜き出て、その浮いた状態のまま少女の方へと進み、 少女の手の中にぽとりと落ちた。 少女はそれを常人ならぬ速さで読み 「アルバスの言うとおり、教科書など私には必要ないな・・・・・・」 と呟き、本を投げ捨て、新しい本を自分のもとへと呼び寄せた。 ちなみに、少女の投げ捨てた本は、十年ほど前に使われていた、魔法薬学の教科書であった。  ++++++++ 主人公は私の大×∞好きな某小説の主人公さんをイメージして書きました(おぃ!) こういう子書きたかったんですよ〜!! よければ続きも見てください。    
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