BACK/ NEXT一人一人順番に名前が呼ばれ、そして組み分け帽子を被る。 少女はその順番に反し、列の一番最後に並んでいた。 それは少女の意思でなく、ここ、ホグワーツ魔法学校の校長である ダンブルドアが決めたこと。 少女は「特別」なのだから。 囚われの悪魔なお姫様 「・」 副校長であるマクゴナガルが、少女の名を呼ぶ。 少女は一度、目だけでマクゴナガルを見てから、ゆっくりと組み分け帽子のもとへ行き、 そして職員達を一度見る。 そして、にこりと挑戦的な笑みを浮かべた。 組み分け帽子は 「お前はすでに決まっておる」 と呟き 「グリフィンドール!」 と叫んだ。 グリフィンドールから喝采があがる。 少女・・・改め、は面倒くさそうに、グリフィンドールの席へと着いた。 生徒は皆、その整った顔立ち、絹のように流れる金の髪や白く透き通る肌などに見とれている。 はそのような視線を気にもせず、ゆっくりと歩き、開いていた席へと着席した。 それを確認し、ダンブルドアの話が始まり、終わるとテーブルの上にはたくさんの食事が現れる。 新入生達は「わっ」と驚いて目をきらきらさせているが、は見飽きたように はぁ、と息を吐くと、かぼちゃジュースをごくりと飲んだ。 そのとき突然、声がかかる。 「「麗しの姫君、名を何と仰るのです?」」 の前に座っていた赤毛の少年と眼鏡の少年を押しのけて、 二人の赤毛の少年はテーブルに手をつき、前のめりになりながら笑顔でテンポ良く話す。 は小さく首を傾げ、ようやくそれが自分に対する問いだということに気づき、二人を睨む。 「人の名を聞く前に、まず己から名乗ることが常識だろう」 その幼い姿からは想像も出来ないほど、落ち着いた大人の女性のような声に、二人だけでなくその声を聞いた者は しばし驚きを隠せずにいた。 「すまない、姫」 「我等の愚かな行為をお許しください」 「ってなことで、僕の名前はフレッド・ウィーズリー」 「そして僕の名前はジョージ・ウィーズリー」 「「以後お見知りおきを!」」 二人は同時にに向けてウィンクをした。 その自己紹介を聞き、は「あぁ」と何かが分かったように小さな声をだし 「あれだろう。悪戯好きでフィルチの一番の悩みの種である、双子のウィーズリー」 「「よくご存知で!」」 フレッドとジョージは満足そうに笑い・・・・・「ん?」と疑問符をあげた。 「どうして姫はそんなこと知っているんだい?」 「上にお兄さんでもいるとか?」 後者のジョージの問いに、は首を横に振る。 「私はここにいるどの生徒達よりも、ホグワーツのことを知っているつもりだ。生徒達のことは、 有名な奴くらいしか知らぬがな」 意味ありげに笑むに、双子はそれ以上、その件についての質問はしなかった。 「で、姫の名はなんとおっしゃるのです」 は気難しい表情をし、そしてものすご〜く面倒くさそうに言葉を発す。 「・・・・・・だ。組み分け帽子を被る前に、ミネルバが言っていただろうが」 一応答えたが、その後にはぶつぶつと愚痴をもらしている。 二人はが教師のことをファーストネームで呼び捨てていることなど気にもせず、 申し訳ないような顔をする。 「すまない、姫」 「僕等は姫のその美しいお姿に見とれて、周りの言葉など聞ける状態ではなかったのです」 「ん?それより、フレッド。というとお前は何を思い浮かべる」 「そんなの決まっているじゃないか。魔法界の名家の中でも一.二を争うと言われている家さ」 二人は「ん?!」とお互いとを見比べる。 は双子の話などもうどうでもいいような目をし、チキンを皿に取り、上手にフォークとナイフを使って 小さな口へと運び、咀嚼し始めた。 「では姫。僕達も食事に戻るとします」 「今度ぜひ、姫のことについて色々とお話してください」 のその態度に、双子は、今はもう問いに答えてくれないだろうと察し、そう微笑むと自分達の席へと戻って行った。 二人の話に、の前に座る眼鏡の少年は、隣の赤毛の少年に静かに問う。 「家って何?」 「何百年も前から続く、魔法界の名門中の名門の一家だよ。魔法界に存在する一家の中で、一番の権力をもっている って言われてるよ」 「へぇ〜・・・・・じゃあ、前の子は一家の子なの?!」 「一家に子供はいない」 答えたのが、隣の友達ではなく目の前に座っている、内緒話のもととなった人物だったので、眼鏡の少年はひどく吃驚した。 そして 「ごめん」 と謝る。 は機嫌悪そうに 「何故謝る」 「いや、なんとなく・・・・・」 「一家に子供がいないって本当かい?!」 隣で肩を竦める友達をさしおき、赤毛の少年は少し興奮気味に問うた。 「あぁ、一応な。いないことになっている」 その意味深な言葉に、二人は疑問符をあげる。 その三人の話に、の隣に座っていた少女が割り込んできた。 「いないことになっているってどういう意味?」 は、はぁと小さく息を吐くと 「つまり、世間的にはいないことになっているが、子供がいないという事は一家を潰すという事にも繋がる。 あの一家はそのような馬鹿な真似しないだろう。だから、いるかもしれないという意味だ」 「あぁね」と三人は納得したように頷いた。 「君凄いや」 「考えれば分かることなのに。なんで私、気付かなかったんだろ」 口々に言葉を発し、眼鏡の少年は 「僕、ハリー・ポッター宜しく」 そう自己紹介をし微笑んだ。 その言葉に、一瞬の深い、エメラルドのような瞳が見開かれた。 「どうしたの?」 心配そうに、眼鏡の少年・・・改めハリーが問う。 の口調はいつもどおり落ち着いていて、冷静だ。 しかしどこか、戸惑いを隠せていないようだ。 そんなことに、皆は気付かない。 「すまない。君があのハリー・ポッターだとは思わなくてな。今年入学するということは聞いていたが、 こんな近くにいるとは」 その言葉にハリーはあはは、と苦笑する。 (つまり、僕はそんな有名な人には見えないわけだ) 「私は・」 「ハリー、一人だけずるいよ!僕はロン。ロン・ウィーズリー」 「私はハーマイオニー・グレンジャー。宜しくね、」 三人の自己紹介に続き、と話したがっていた生徒達が「私は・・・」「僕は・・・」と次々に自己紹介をしだした。 次々と襲う、自己紹介の嵐に、は耳だけ傾け、食べることに集中していた。 そんな光景を見て、ダンブルドアやマクゴナガルなどを信じる者達は、 安心して、まるで我が子を見るような瞳で微笑んだ。 +++++++++ 入学式です。 やっぱり双子からの呼ばれ方は「姫」ですよね。 題名にも「姫」入ってますし(笑)