囚われの悪魔なお姫様 皆はのことを、姿形から只者ではないと思っていたが、色々なことだあってますます只者ではないと 思い始めていた。 例えば、寮監が新入生達を寮へ案内したときのこと。 一年生は二人の寮監に案内され、さっきまで食事をしていた場所から出て階段を上る。 しかし、だけが違う方向へと歩いていった。 それを見た寮監の一人が、の腕を掴んだ。 「寮はそっちじゃない。しっかり僕達に着いてきてくれ」 その寮監をは下から睨む。 背が小さいので、どうしてもこうなってしまう。 そして杖をとりだし呪文を唱えた。 すると、その寮監はさっきまでいた場所に戻っていたのだ。 皆、呆然と立ち尽くす中、は「私に指図をするな」と言い捨て、知らん振りして去って行った。 まだ入学して間もない新入生が、何故このように高度な魔法を使えるのだろう? 生徒達は皆そう疑問に思った。 でも、これは序の口。 どの授業でもは詰まらなそうにし、授業とは全く関係のない、難解な本を読んだりしていた。 そんなを、先生は誰も注意しない。 唯一、がしっかりと受ける実践変身術や妖精の魔法の授業でさえ、それを得意とするハーマイオニーを 千歩も一万歩も、いやそれ以上も越しているほどの魔法の腕をみせる。 しっかりと受けているといっても、授業とは全く関係のないことをしないだけで、とてもつまらなそうにしているのは どの授業も同じだ。 これでも皆、吃驚なのだがこれがきっと一番だろう。 数回目の魔法薬学の授業のときの出来事。 魔法薬学の教授は、スリザリン贔屓で有名なセブルス・スネイプ。 しかも、なぜかハリーに対しての態度が物凄く酷い。 そのせいで、グリフィンドールは毎回減点されていた。 そんなある日。 は背がとても低いからか、授業とは違うことをしているのにいつも一番前の席に座っている。 どうせ授業なんて受けていないんだから・・・・・と誰一人としてつっこみはせず、心の内で呟いていた。 今日の隣はハーマイオニーだ。 いつもは難解な本を常人ならぬ速さで読んでいるのだが、今日はどんな気持ちの変化か、しっかりとスネイプの方を向き、 羊皮紙に書き取りはしないものの、黒板に書かれることをじっと見ていた。 そして、黒板がスネイプの字でぎっしり埋まり、スネイプが前を向いたとき。 それは起きた。 「セブルス」 ファーストネームでスネイプのことをが呼ぶ。 スネイプはそれが聞こえてないように振舞う。 「セブルス」 さっきより、少し声を大きくして、はスネイプを呼んだ。 しかしスネイプはそれを悉く無視する。 その態度に、は眉間に皺を寄せ、杖をスネイプに見られぬよう取り出し、小さな小さな声で呪文を唱え、 スネイプに向けて振った。 そして杖を自分の方へ、くぃっ、と引くと それに操られ、スネイプはの目の前へと引き寄せられた。 「何故無視をする」 「お前と話すようなことなどないからだ」 の魔法で身動きができず、スネイプは嫌そうにしながら答えた。 「君がなくとも私があるのだ。しばらく会わずうちに、偉くなったものだな。私がそんなに嫌か」 「あぁ」 スネイプは即答で、その問いを肯定する。 ふっ、とは笑い 「だから君は平常心を保てず、授業をこんなにしてしまっているのか?」 と杖でスネイプを操作し、黒板の方に向ける。 見ると、黒板にはさっきまで書かれていた文章が消え、子供が書いたような落書きで埋め尽くされていた。 スネイプの表情が、みるみる怒りへと変わっていく。 そして怒りを抑えられない口調で 「グリフィンドール、百点減点!」 スリザリンの生徒達はくすくすと笑い出し、グリフィンドールからは批判の声があがった。 「、あなたなんてことするの?!」 隣のハーマイオニーなんて、怒りのあまり、のローブの袖を強く掴んでいる。 はそんなハーマイオニーのことなど気にせず、また杖を使いスネイプを自分の方へ向け 「良くそんな真似ができたな・・・・・・ということは、言っても良いのか?」 計画的な微笑を浮かべる。 そこには、スネイプを蔑む笑みも入ってる。 スネイプは苦虫をかんだような表情をし、とても悔しそうに 「グ、グリフィンドール・・・百点追加」 スリザリンはつまらなそうな顔をし、グリフィンドールからは安堵の吐息が零れた。 ハーマイオニーの手がローブから離れる。 しかし、は「足りない」とでも言うように息を吐き 「そんなに言って欲しいのか」 「お前は人を脅して楽しいか」 スネイプは上からを睨む。 その言葉をは鼻で笑い捨て、言葉を発す。 「脅す?君、人聞きの悪いことはやめてくれ。ただ私は、言って良いか聞いているだけであって、それを脅しだと思うのは、 セブルス、君に問題があるのだろう」 は勝利の笑みを浮かべる。 「グリフィンドール・・・・・十点追加」 スネイプを睨む。 言葉には出さぬが、口の形で「それだけか」と言っているのが分かる。 スネイプは「もうどうでもいい」というように 「五十点追加」 それはもう、とても悔しそうに言った。 グリフィンドールから喝采が上がる。 「、あなた何者?!」 「君はほんとに凄いや!」 「僕が減らされた分を取り返せたかもしれないね」 口々にを褒め称え、そのまま授業は終了した。 「行きましょう」 次の授業に一緒に行こうと誘うハーマイオニーに 「用事があるからまた今度な」 と断りをいれ、は教室に残った。 「早く帰れ。お前の顔など見たくない。我輩の授業にもうでるな」 睨むスネイプに、は今まで誰の前でもしたことのない、優しい微笑みを浮かべた。 「君は私が嫌いか」 スネイプはその答えを肯定も否定もしない。 ただ、を見る。 「私は君のことを気に入っているのに」 その言葉に、スネイプは目を見開き「信じられない」というような顔をした。 「ならなぜ会う度に今日のようなことをした」 その問いに、はいつものように、ふっ、と笑い 「そんなの気に入っているからに決まっているだろう」 「我輩はお前の愚かな行為に大変迷惑していた・・・だからお前を避けた」 「なら、前みたくたまには私の部屋に訪れればよかろう。私がここに連れてこられた頃は、良く顔をだしていたのに・・・。 私は暇だ。暇で暇で死んでしまう」 「我輩も忙しいのだ」 幼い姿に似合わぬ声を発し、不貞腐れたように唇を突き出すを、スネイプは宥める。 その表情、口調からは、さっきの怒りはどこかへいったしまったように思えた。 「君は尊敬する先輩の娘を粗末に扱うのか。そうか。では今度、そう伝えておくよ。セブルスは・・・・・」 その言葉に、スネイプは痛いところを衝かれたようで 「分かった。今日の夜、お前の部屋に行くとしよう」 は嬉しそうに微笑む。 「なら、君のために、私が特別に紅茶をいれてあげよう」 そう言い、は呪文を唱え、杖を振り、ここを去って、次の教室へと移動した。 スネイプは疲れたように息を吐き、研究室へと入っていった。  +++++++++ ここでは主人公の凄いところではなく、スネイプ先生とのやりとりを書きたかっただけです! スネイプ先生いっぱいだすぞ(笑)
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