BACK/ NEXTホグワーツ城の最上階。 そこは一つの部屋になっている。 そこにはたいそう可愛らしいお姫様が住んでいる。 しかし、可愛いからといって油断してはいけない。 お姫様は悪魔なのだから。 囚われの悪魔なお姫様 魔法薬学の教授であるセブルス・スネイプは、何かがごちゃごちゃしている変な気分に嫌悪感を抱きながら 長い長い階段を上っていた。 最上階に着き、見事な金彫刻の施されたドアノブを回す。 するとそこは、豪奢な家具で彩られている、まるで御伽噺に出てきそうな部屋だった。 部屋といってもそこは、ここの住人である・には十分すぎる ほどの広さで、そこは彼女の「家」だった。 「、いるのか」 住人の姿が見えないので、少し大きめの声で呼んでみる。 するとバスルームに続くドアの方から声が聞こえた。 「セブルスか?ちょっと待て、すぐ出るから。その辺の椅子にでも座って本でも読んでいてくれ。 ちなみに、私のお薦めは『マグルの知られざる生態系』と『マグルの愚かな歴史』だ。私のベッドの横に 置いてある」 スネイプは、ただ座って待つのも詰まらないと、その薦められた本を読んでみることにした。 (あやつは今、マグルに興味があるのか) しかし、ベッドの周りは本が散乱していて「読んでいてくれ」という状態ではなかった。 横といわれても、ベッドの横に一番本が散乱している。 しょうがなく、スネイプはお薦めの本を探しながらそこを片付けることにした。 杖を取り出し、呪文を唱え分厚く難解な本を重ねて持ち上げて本棚に戻す。 やっと片付いたというときに、バスルームに続くドアから 「どうだ。マグルという生き物は大変興味深いだろう」 髪の毛を頭の上でまるでうさぎの耳のようにタオルで結び、白いメリンスの寝巻きを着たが姿を現した。 三段フリルでふっくらとふくらんだワンピース型の寝巻きの下から、七分丈のふんわりしたズボンが覗いている。 それは足首の部分をサテンのリボンできゅっと縛ってある。 「お前は片付けるということを知らぬのか。ここ全体に本を散らけよって。本など読む暇あるわけなかろう」 「もしかしてセブルス。あの本を全て本棚の戻してしまったのか?!」 は衝撃的な顔をした。 「あぁ。あんな散らかりようは見たことない」 「何てことをするんだ!お気に入りの本が置いてあったのにぃ・・・・・・」 は項垂れ、ぺたんと床にお尻をつき、きっとスネイプを睨んだ。 スネイプも負けじと睨む。 「お前があのように汚くしていたから悪いのだろう。少しは整理整頓の習慣をつけたまえ」 「私に指図するな」 「そんなこと言うなら我輩は帰るぞ」 「別に私は構わないよ」 その言葉にスネイプはふん、と踵を返し、去って行った。 残されたは 「ほ、本当に帰ってしまった・・・・・セブルスめ!私は、せっかく楽しみにしていたのに。か、帰るとは何事だ!」 ぐずりだし、ぽふんと床に丸まって座った。 「今日は珍しい紅茶をいれてやろうと思っていたのに」 ぽつり呟く。 「マスカットなど使っていないのに、マスカットのような爽やかな香りがする紅茶だぞ。あれは美味だ」 そしてその体制のまま、ごとりと横に倒れた。 「セブルスぅ〜」 「なんだ」 名を呟くと、部屋の扉が開き、スネイプが姿を現した。 「なっ・・・・・・」 驚いては跳ね起きる。 「帰ったんじゃなかったのか」 「お前が反省するかどうか見ていたのだ」 「ふん。反省などするはずがないだろう。なんてったって、君が悪いのだからな」 やれやれと、スネイプは一歩も引き下がろうとしないお姫様の頭にぽすんと手を置き 「紅茶をご馳走してくれるのだろう」 その言葉に、は嬉しそうな顔をし 「そうだ。君は絶対に飲んだことのない、珍しい紅茶だぞ。良く味わって飲むが良い。魔法ではなく自分の手で 淹れることが紅茶を美味しく淹れる秘訣だ」 綺麗に微笑んだ。 そして鼻歌交じりに、玩具のようなキッチンにいき、お湯を沸かし始めたのだった。 スネイプはその姿を、あの時のダンブルドアやマクゴナガルのように、 愛しき我が子を見るような目で、を見つめていた。 ++++++++ 本当にマスカットみたいな味や匂いがする紅茶あるんですよ。 私は飲んだことありませんけど。 高いらしいです。