5月。
桜の花も散り、初々しい若葉が見られる。
そんなある日。
あの子はここへと舞い降りた。


00 プロローグ


ここはDW。
新選ばれし子供+元選ばれし子供である太一と空は、デジモンカイザーが放ったイービルリングによって操られたデジモン達を助け、
RWへと帰る所だった。

新選ばれし子供の大輔がエリア内に置いてあるテレビにデジバイスを向けようとした
その時

「何か聞こえないか?」
太一が森の方へと耳を傾けそう言った。
それを聞いて皆も耳を傾ける。
そして皆驚いた。

「笑い声と、歌声が聞こえるわ!」
「デジモンじゃないのか?」
大輔の言葉に「これは違うと思う」とテイルモンが言い、他のデジモン達も頷いた。

「なんで、人の声が・・・。選ばれし子供は僕達だけじゃないの?」
「そのはずだけど・・・・・」
皆、困惑するが
「考えていてもしょうがないわ。行ってみましょう」
この空の一言で、恐る恐る声のする方へと足を進めた。



そこは、森の切り開かれた場所。
皆は気づかれないように木の陰からそーっと顔を覗かせた。

彼らの視界に入ったもの。
それは十数のデジモン達と腰丈より長いの黒い髪で黒い服を着た少女が一人。
残念だが、後ろを向いていて顔は見えなかったが、その光景を見て皆は驚きを隠せずに入られなかった。

少女は歌を歌い、デジモン達はそれに合わせて踊っていたのだ。
その歌声は酷く澄んでいて、心が洗われるようだった。

しばし、皆の聴覚と視覚がその少女のものになっていたとき、誤ってパタモンが木の枝にかすって音を立ててしまった。
デジモン達は気づかなかったらしいが、少女は気づいたらしく歌を止め、膝の上にいた見たこともない紫と白のデジモンに耳打ちをした。
するとそのデジモンの額が赤く光だし、少女の背中に〈漆黒の羽〉が現れた。

闇のように黒い、天使のような羽。


回りのデジモン達に「じゃあな」と言い、少女は飛び去って行った。

少女がいなくなると、その場にいたデジモン達はすぐさまその場から去って行った。


彼らはさっき少女がいた場所へと歩み寄る。
そして辺りを見回した。
太陽が照り、心地よく風が吹いている。

その時、伊織がロケットのペンダントを見つけた。
何かを踏んだ感触がし、下を見てみたらそれがあったのだ。
卵のような形のそれには、黒い逆さ十字が嵌め込まれており、右上だけに天使の羽。
片翼に逆さ十字。

「みなさ〜ん、これ〜」
ペンダントを持った手を上に大きく上げる。
「何だ?」と皆は伊織の周りに集まりそれを見た。

「片方だけの黒い羽に、黒い逆さ十字なんて変わった装飾ね」
開いてみると、中には少年の写真。
「うわ〜っ、かっこ良い!」
黄色い声をあげたのは京。
確かに京の言うとおり、その少年の顔立ちはとても整っていた。

「俺らと同じくらいの歳かな」
「そうね・・・」
「・・・・・あの子の物だよね」
「そうだと思います。ずっとここにあったとは考えられません」
「これを失くしたことを知ったらあの子、悲しむだろうな・・・・・・」
ヒカリの一言で一瞬沈黙が流れる。

その沈黙を
「でも、こっちに来られるってことは選ばれし子供なわけだし、きっと会えるよ」
タケルが破った。

「そうさ。もしかしたらあっちでも会えるかもしんないし」
「そうよね。じゃあ、これ、私が持っていて良いかしら」
皆の同意を得、そのペンダントはヒカリが持つこととなった。
そして皆は、RWへと帰っていった。









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2.3年くらい前から書き始め、今年の夏にやっと書き終わった一作。
けっこう続きます。
宜しくお願いいたします(深々頭下げ)

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