11 闇が光へと変わる瞬間



「ただいま」と、返事がないのを分かっていながら言ってみた。

後悔と罪悪感が螺旋状に交わり、体は重い。
ベッドに仰向けで寝転んで、愚かな自分を嗤笑してみた。
自分を制御しきれずに
殺人未遂を犯して
それをとめてくれたあいつに冷たい言葉を発して。
なんて私は愚かで駄目で小さいのだろうと。
自分が嫌で嫌でしょうがなくなった。

「兄さん…………」


あそこは居心地が良すぎて。
私にとっては異空間だった。
私にあそこは似合わない。
私は一人で良いのだ。


私は生きていない。
ただ、DWを救うという「使命」という名の「生きる意味」にぶら下がっている状態。	
いつかこの手を離すときが来る。
その時私は死ぬだろう。
それなら、生きる意味を失う前に
絶望の淵に立たされる前に
死んでしまいたい。

「あとどれくらいであなたの元へ逝ける……?」

いつ死んでもおかしくない。
いつ死んでも良い。
出来るなら、
今すぐ死んでしまいたい。
この黒く染まった体を。


早くこの世から消してくれ。
私がこの世を黒く染める前に。


「誰か私を殺してくれ………」


願ってもないのに涙が一滴流れ落ちた。
あの空間に浸りすぎたんだ。
私の体は麻痺している。
こんなことで涙を流すなど
あってはならない。



これで良いんだ。
何回も自分に言い聞かせる。
もう、人間とは係わってはいけないと。
この身が朽ちて、兄の許へと逝くまで
私は孤独の中に生きようと
思った傍から
あいつらの顔が浮かんできた。
あいつらは私を仲間だといってくれた。
泣いたら優しく抱きしめて
心配してくれて
居心地の悪いはずなのに
何故か私は
安心したんだ。

何故こんなにも苦しいんだ。
何故こんなにも辛いんだ。
分からない。
教えてくれ。

「みんな………」

ぐっと涙を拭いて、立ち上がった。
行かなければならないと思った。
あいつらの元に
私は行かなければならない。
兄さんの許よりも先に。
逝くのではなくて行くんだ。
この決心が鈍る前に。











  







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