15 メール
朔耶は自分用のパソコンを持っている。
なぜか、そのパソコンからもデジタルワールドへ行くことが出来た。
そのことはまだ、皆に話していない。
理由は話す必要はない、という朔耶の独断と偏見からだった。
日曜日。
久しぶりに朔耶はそのパソコンの電源を入れた。
すると、誰にも教えてないはずなのに、一通のメールが来ていた。
驚きつつも、慎重にそのメールを開いた。
そこに書かれてあったこと。
それは、朔耶の表情を〔怒り〕へと変えるには十分すぎるほどの内容だった。
なぜならそのメールの差出人は
「デジモン………カイザー」
怒りでマウスを握る手が小刻みに震えている。
メールにはこう書かれていた。
『白鳥 朔耶 様
前よりも強力なイービルリングを開発した。
それを明日、解き放ち、もっと多くのデジモン達を僕の仲間にしようと思う。
だから、君も僕の仲間にならないか。
君なら大歓迎だ。
返事はメールで返せないようにしてあるから、直接伝えに来れば良い。
君がDWへ来れば、僕は君がどこにいるか分かる。
だから、迎えを出そう。
待っているよ。君と良い返事をな 』
朔耶は唇を強く噛み締める。
「クリュ〜?」
心配そうにクルモンが朔耶の様子を見た。
「大丈夫だ」
朔耶はクルモンを抱きしめた。
「頼みたいことがあるんだが、良いか」
「クリュ!」
クルモンは喜んでOKサインをだす。
朔耶は愛しそうな目でクルモンに微笑み、メモ帳を引き出しから出して
何かを書くと
「これを、え〜っと…そうそう、ヒカリに届けてくれ。家は分かるだろう?」
「クっリュ〜!」
クルモンは元気に返事をすると、耳のようなものを羽根のようにして飛び、窓から出て行った。
クルモンが行き、朔耶は心を落ち着かせる。
瞳を閉じ、ゆっくり一回深呼吸をした。
そしてデジヴァイスを握り、パソコンへと向けた。
着いた場所は、暗い森の中。
太陽がどこにあるかさえ分からない。
木が高すぎるのだ。
そして枝もうっそうと生い茂っている。
迎えはまだだろう。
そう思った朔耶は、近くの木に凭れ掛かり、迎えが来るのを待った。
そして数分が経っただろう。
羽根を羽ばたかせる音が聞こえる。
朔耶は木に凭れ掛かるのをやめ、上を見た。
枝を掻き分け、巨大な虫が降りてくる。
「クワガーモンだ」
もちろん、クワガーモンにはイービルリングがはめ込まれていた。
クワガーモンは朔耶の前に下りる。
そのカブトモンの頭のへんから、小さな昆虫型デジモンが姿を現した。
「君が白鳥朔耶?」
「あぁ。お前は」
「僕はワームモン。ここに乗って」
朔耶はワームモンに躊躇せず、言われた通りクワガーモンの背に乗った。
罠か何かがこの先には待ち構えているのだろうと分かっているが、怒りによって冷静は失われていた。
「行くよ」
その掛け声と共に、クワガーモンは空へと飛び立った。
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