目を覚ますと、私は手と足を鎖で縛られ
まるでキリストのように十字架に縛り付けられていた。
目の前には憎き者の姿。
そして私の首には、黒い輪。



   17 キリストとユダと操り人形



「あぁ、起きたんだ」
「何なんだこれは」
「キリストのようで滑稽だよ」
「ということは、お前はユダということか」
「それは遠慮したいな。キリストを売った行為は別に何とも思わないが、銀30枚はね。
僕だったらキリストの力を多いに利用してから売るね」
「そんな話はどうでも良い。これを外せ!」
鎖を力強く引っ張ったら、その衝撃が自分にもはしった。
奴はくつくつ笑う。
「話のきっかけをつくったのは君だろう。それに、外したら君は逃げるだろ?」
「決まっているだろう」
奴はまた笑う。
奴が笑うごとに、怒りが煮え滾っていくのが分かった。
「こんなもので私を操るつもりか」
「良く分かったね。その通りだよ。やはり君は頭が良い。あいつらの仲間なんてもったいないよ」
「うるさい、黙れ。私を操っていったいどうするつもりだ」
私がそう言うと、奴はまた笑った。
それは自分より下の者を蔑む笑いで、こんな鎖がなかったら顔面を殴っていたところだ。
「分からないのかい?」
「馬鹿言え。どうせ、私を味方につければ、ヒカリ達がもし攻めてきたとしても、私を盾とすればあいつらも
攻撃を躊躇するだろうとかそういうことだろう。あいつらはこの頃、どんどんと強くなっていってるからな」
「その通りだ。このスイッチをいれたら、君は僕の操り人形となる」
「そんな機械なんかに私が操られるものか」
これは強がりだった。
こう言えば、止めてくれるかもとか思っていた。
しかし、奴は自身の実力を信じている。
「やってみなければ、分からない。これは、心の闇が深いほど、操作しやくすなっている」
奴はボタンを押した。
それと同時に静電気のようなものが体中を駆け巡り、体を動かすことができなくなった。
そして意識が遠退いて………



「朔耶。選ばれし子供達は僕らの敵だ」
「あぁ、分かっている。倒せば良いのだろう」
「そうだ」
朔耶はまるで黒いビー玉のようになった瞳でデジモンカイザーを見つめた。
デジモンカイザーは、勝ち誇った笑みを浮かべる。
少し遠くで、ワームモンが心配そうにその光景を見ていた。











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