第一楽章   「おはよ」 少女はクラスに入ると同時に友達を見つけ微笑んだ。 「おはっ、」 「おっはよ〜」 その友達も笑顔で手を振っている。 「二人とも早いね」 自分の席に荷物を置いてから、は友達のいる席へ行き、空いている席へと座った。 「朝練あると思ったらなくってさ〜」 ショートカットで、如何にも「スポーツ得意です!」といった感じの少女は頭を掻きながら、 早く来た訳を話す。 「私は早く起きたから。やっぱ昨日9時に寝たからかな〜?」 「9時に寝たんか!?」 シャギーの入った長い髪の今どき風な少女は髪を梳かしながらそう言ったのに対し、 ショートカットの少女は勢い良くつっ込んだ。 「てか、聞いてぇ〜!」 「ん?どしたの、姫夏」 姫夏とは、長い髪の今どき風な少女の方である。 は小首を傾げ、問った。 「聞かなくて良いよ」 ちなみに、ショートカットの少女の名は有香。 「何でよ〜!」 「まぁまぁ、聞くから。ねっ、話して」 姫夏を宥め、は微笑んだ。 「うん」 姫夏も嬉しそうに微笑む。 「あのね、あのね」 興奮気味に、姫夏は話し始めた。 「学校主催のコンクールあるじゃない?音楽の」 疑問符から始まった話には頷き 「コンクールがどしたの?」 疑問符を返した。 「あのね、そのコンクールには学校にいる妖精が関係しているんだって。それでね、 昔その妖精が、コンクールの参加者のキューピットになったんだって!禁断の恋よ!!」 「はぁ………」 輝く瞳で手を握られ、はどう反応して良いか分からず困っている。 しかし、その事に姫夏は気づきもせず「素敵よね〜」などと夢見がちな顔で話を進めていった。 そんな姫夏を見ながら、有香は「アホらし」と呟き、頬杖をつき、呆れた目をした。 「あ〜ぁ、音楽科に良い人いないかな!?」 「姫夏……樋口君はどうしたのよ」 姫夏の話が凄すぎて(ある意味)少し放心気味だったが呆れ気味にやっと口を開いた。 「彼女が出来ちゃったからもう良いの〜!」 何事もなかったかのように姫夏はそう良い「私もね、音楽科の人と恋がしたぁ〜い」と また己の中の夢の世界へと入っていってしまった。 「コンクールか……」 人差し指を唇に当てながらは呟いた。 「何?も興味あるん!?その話に!」 驚くように有香は言葉を発した。 「ううん。姫夏には悪いけどさ、ライバル同士っていうだけで禁断の恋じゃないでしょ。 妖精が関わんなくったって、お互い好きなら叶う恋じゃない」 「むっ!までひっど〜い!!」 の言葉で一瞬にして夢から現実に戻ってきた姫夏は頬を膨らませた。 有香は勝ち誇った笑みを姫夏に向けている。 「ごめんごめん。まぁ、何にしても、コンクール楽しみね」 「そうだね」 「うん」 二人に向けた笑顔。 それに対して、少し切なげな顔をする二人。 二人とは小学校からの親友で、知っているから。過去を。 その二人の後ろにある窓の外にいた〈それ〉の姿に、は気付くことはなかった。 が座っている席の持ち主が来てしまったからなのだが…… 「……、席良いかな?」 遠慮がちに声をかける男子。 は声の方を振り向き、その男子を視界に入れると慌てて席から立ち上がった。 「ご、ごめんね、入野君」 「あっ、いや、そんな謝ることじゃ……」 入野と呼ばれた男子の頬が、桃色に染まったことを、以外の二人は気づき、 二人のやり取りをじっと見ていた。 「こうしてまた一名、の虜になり……」 「そして散っていくんだよね。モテるのに気付かないんだよね〜……そこもモテるポイントか!」 「天然はポイント高いんじゃない?ばればれのアピールも絶対に気付かないもんな……」 「言っても、そんなことないよ〜って笑って済まされちゃうしね」 二人は同時にため息を吐き、入野に話題を振られ話しだしたを心配そうに、 そして少し羨ましそうに見ていた。 〈それ〉はまだ窓の外にいた。 それでもは気付かない。 誰も気付かない。 〈それ〉の存在に。 誰も………  +++++++++ 天然でモテる主人公……王道(?)ですね(汗) でも、この子にはまだ色々と特技がありまして……。 まぁ、色々な理由でこんな感じになりました。 オリキャラ2名登場(男子生徒は関係なし)。 早くコルダキャラをださなければ……夢じゃない…。
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