BACK/ NEXT何も持っていかれてないなんてことないって分かってた。 分かっていて〈希望〉を抱いていたつもりだった。 でも、違った。 心の中、どこか本気で思ってた。 もしかして何も持っていかれてないのではと。 そして心の中、どこか願ってた。 何も持っていかれてないのだと。 〜死刑判決〜 禁忌を犯した日から、一ヶ月が経った。 私の体には、何もこなかった。 予定の日が来て、それから一週間経っても 私の体に毎月くるものはこなかった。 希望は打ち砕かれて。 私は落胆し、馬鹿だなと自嘲した。 やっぱり、取られちゃったんだね。 「?」 約束通り、あの日から一ヵ月後に来たエドとアルが心配そうに私を見る。 エドにもアルにも全部話した。 私が持っていかれたものは『子宮』だってことを。 だって、こなかったし。 でも、私が普通に生きていられることは『幸運』と言って良いのかもしれない。 エドもアルも先生も。 禁忌を犯して、すっごく痛い思いをして、死ぬ思いをした。 でも私は、痛い思いも死ぬ思いもせずに今を生きている。 禁忌を犯した者から見れば『幸運』なのだろうけど、私にとっては『不幸』。 自分で犯しておきながら不幸っていうのは自分勝手かもしれないけど、 でも、これで私の夢は打ち砕かれた。 あの悪夢が起きてから、私が決めた夢。 願った夢。 それは私の罪によって打ち砕かれた。 何か私を求めてくれるものが必要だった。 私が生きる意味が必要だった。 でも、今思う。 軍は私を求めてくれたけど、別に私がいなくても全然平気なのだと。 先生との修行で学んだ「一は全、全は一」 もし、私が死んでも世界は何もなかったように回り続ける。 そしてもし、私の死を悲しんでくれる人がいたとしても、その人もいつかは私を忘れて生活を続ける。 つまり私は シンデモイインダヨネ そう思ったら、東方司令部に向う足を止めていた。 「どうした?」 心配そうにエドは問う。 「ちょっと忘れ物しちゃったから取りに行ってくるね。二人は先に行ってて。遅れたときのために、一応言っておいてくれる?」 頑張って、何時もの笑顔。 ・・・嘘をついた。 でも、この〈嘘〉を〈本当〉にしようとは思わない。 「あぁ、分かった。早くしろよ」 エドは信じた。 「分かってる」 二人に微笑んで、小走りで家へと向った。 ごめんね、エド、アル。 ごめんね。 ごめんね。 それから ありがとう。 重い罪を犯した者は、死刑になるのが常識。 だから私も断頭台に立とう。 執行場所は私の部屋で、ギロチンの代わりに拳銃を持つ。 執行人は私で死刑囚も私。 そんな一風代わった死刑を始めてしまおう。 だって、生きてる意味がないから。 全ての人に言いたい ごめんね。 ありがとう。 さようなら。 言えることなんてもう、ないけど。 ++++++++++ 展開早っ! 書いてる本人が一番驚いています(苦笑) 話の進行上・・・というか、次に浮かんだのがこれで 間にいれるものが考え付かなかっただけ(爆)