彼がいなくなった。
私を残して。
彼はいなくなった。
私は残された。
流しても流しても止まらぬ涙。
戻ってきてよ。
あなたのぬくもりを忘れてしまう前に。
私の元へと戻ってきて。
もう一度、禁忌を犯して。
コンコン、と二回のノック音。
返事もしてないのに扉は開き、誰かが入ってきた。
誰が入ってきたかは分かっている。
毎日のことだから。
「?」
彼女は私の名前を呼ぶ。
同情なんていらない。
あなたの悲しげな表情や切なげな表情なんてもう見飽きた。
彼を連れてこられないなら何もしないで。
それが一番楽だから。
あなたのその表情や声は、また私の涙を誘うの。
私はもっと布団を深く被った。
「……夕食、ここに置いておくからね。今日こそ全部食べてくれると良いんだけど」
食事は、この世に生命を繋ぎとめておけるだけの量で良い。
お腹はほとんど空かないから。
ねぇ、何で私は生きようとしているの。
「たまには、私達と食事してね。じゃあね」
そう言うと、彼女はカチャリと扉を閉めた。
何時も言われる言葉。
もう聞き飽きた。
私はもそもそと起き上がり、水をゆっくりと、時間をかけて全部飲み干した。
食事はそれだけ。
布団の中に潜り込み、夢を見よう。
彼が出てきたら、夢は覚めないで良い。
一生、現実に帰ってこられなくても良いから。
彼のいる、覚めない夢を見たい。
目を瞑った。
彼の顔が浮かぶ。
思ったよりも早く睡魔は襲ってきて、私は夢の中へと入り込んでいった。
「ここはどこ?」
周りは雲のようなものが立ち込めていて、足元には桃色がかった靄。
………あっ、そうか。
私はここがどこだか分かった。
「ここ、夢の中だ………」
私は辺りを見渡した。
「私、たまに分かるのよね。夢だって」
夢。
そう、正しくここは夢の中。
根拠はないけど、絶対と言える自信がある。
「夢なら………何か良いことが起これば良いのに」
浮かぶのはやはり彼の顔。
気がつけば何時も、彼のことばかり。
「エド……」
知らず知らず、彼の名前が私の口から、小さな小さな声で紡ぎだされていた。
会いたいよ、エド。
何で行っちゃったの?
何で私を置いて行っちゃったの?
ねぇ、エド…………
++++++++++
初(新HPでは)エド夢です!
え〜と、時間はエドがいなくなったから1.2ヶ月後くらいです。
ちなみに、ウィンリィの妹でアルと同い年という裏設定(?)あり。
本当はですね、ウィンリィと血の繋がらない姉妹設定でアニメ沿いで書く予定だったんですよ、この子。
でも、書くのめんどくさくなったので(爆)書きたいところだけ書きました☆
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