好きな人………ずっと、ずっと
物心つく頃には側にいた、所謂幼馴染。
無邪気だった子供時代。
何も考えずに、お互いの手を握り合って遊んでいた。
でも、そんなこともう、昔話。
今はもう十分に理解している。
自分の家のことと、彼女の家のこと。
お互い名家で、家の事業を発展させるための婚約者候補が何人もいる。
確かに、お互い婚約者候補の一人ではあるが、結ばれるという絶対的可能性はなかった。
分かっていたんだ。
恋をしてはいけないこと。誰かを好きになってはいけないこと。
それが君以外でも。
その恋は辛さしか生まないから。
するだけ無駄だということくらい、今なら分かる。
でも、この想いは幼少の頃から育んできたもの。
今さら失くせというほうが無理だ。
もしこの気持ちを伝えたらどうなるだろうか。
君は・・・いや
お前は俺を「好き」だと言ってくれるだろうか。
もし言ってくれたとしたら、家でもなんでも捨ててやる。
俺はお前が欲しい。
お前以外の奴と結婚なんて考えられない。
お前を手に入れたい。
手に入れて、俺だけのものにして・・・・・・・・・
もう、俺だけしか見られないようにしてやりたい。
こんな浅はかな願いが、叶う日が来るのだろうか。
・・・・・・分かっている。
行動を起こさなければ何も始まらないって。
だって今の俺達は会っても挨拶程度でほとんど何も話さない、周りから見れば『ただの知り合い』という
どこにでも転がっている在り来たりな関係だから。
先に突き放したのは俺だった。
これ以上好きになるのが恐くて。
ほんと、馬鹿げた話だ。
もう、何も恐くない。
俺が愛しているのはあいつ。
絶対に、あいつを手に入れてやる。
そう、心に決めたのは、高校三年生になった春。
色々悩んだりしたけれど、やはり好きという気持ちは失くせないと分かったから。
何時か言うよ。
好きだ、って。
だから、行動を起こさなければ・・・・・・・・・・・・
音楽科の俺と普通科のお前。
接点は少ないけれど、どうにかなるさ。
そのチャンスは、以外にも早く俺のところへとやってきた。
++++++++++++++++++
ということで、連載始まりです。
『秘色想希求(ひそくそうききゅう)』と読みます。
初めの方はけっこうグダグダしてしまうかもですが、お付き合いくださいませ。
ちなみに時間設定は第2セレ前です。
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