彼女にだって、とても可愛らしい面がある
屋上へ着いて、足を踏み入れた。
『立ち入り禁止』という文字は、無視。
いけない事だと分かっているけれど、今日は特別。
何故か鍵は年中無休で開けっ放し。
校内で、何処よりも空に近い場所。
今日は晴天。
誰もいないことを確認し
「良かった、誰もいないわ」
は安堵の吐息を吐き出して微笑んだ。
「・・・・・・屋上、ですか?」
香穂子に不思議そうに問われ、は「えぇ」と頷き「駄目だったかしら?」と小首を傾げた。
香穂子は慌てて駄目ではないと告げ、「でも・・・・・・」と何か言いにくそうな素振りをした。
それには気づき
「どうしたの?」
問うてみると、香穂子は苦笑気味に答えた。
「あっ、いえ。一応予約してあるんですよ、練習室。人がいないところで話したいのならそっちでも良いんじゃないかなぁ〜・・・と」
その言葉を聞き、は頬紅色に染め
「ごめんなさい」
恥ずかしそうに俯いた。
「そうよね。ピアノを弾くために私は呼ばれたんだもの、練習室を取ってあると考えるべきよね。
それなのに私ったら・・・そこまで頭回らなくて・・・・・・」
「いえ、大丈夫ですよ。じゃあ、話が終わったらそっちに行きましょう」
「そうね」
ふんわりと微笑むに、香穂子はたまにドキッとさせられる。
好きとかそういった安易感情ではない。
まるで別世界の人と接している、そんな気がしてしまうのだ。
隣りにいるのに、遠くに感じられる。
しかし、それは極々たまにで
何時もはの可愛い面を見て、笑んでいるのだ。
可愛い面というのは、さっきのように少し抜けているところとか恥ずかしさを顔いっぱいに出すところとか・・・・・・
きっと、これらの表情を知らない者はたくさんいるだろう。
だって皆から見た彼女は、美しく高貴で、まるで一輪で凛と咲いている白百合の花だから。
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すいません、短いです。
主人公の天然発揮、香穂子の主人公に対する感情。
好きという名の尊敬という感情。
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