君は僕だけのもの
携帯電話を閉じて服のポケットに仕舞い、僕は慌てるように家を出た。
内心、笑みながら。
の言葉、態度からして
何らかの形でカメラ・・・もしくは盗聴器を見つけたのだろう。
だから僕に電話をしてきた。
小母さん・・・・・・のお母さんではなく、僕に電話をしてきたのは
僕がキラだから、そしてそれを付けたのがLだから
という事実を除いても説明する事が出来る。
一つは、僕の父が警視総監だから。
そしてもう一つは、お母さんに心配をかけたくないから。
とまぁ、こんな感じだろう。
ちゃんとした理由がないと、もしこの後警察を呼び、誰かが疑問を持って投げかけた場合
疑われてしまう。Lに。
僕だけでなくまで。
ごめんね、。巻き込んでしまって。
巻き込もうなんて、思ってなかったんだ。
けれど、巻き込んでしまったのだから仕方ない。
僕がを守るから。
だからも、僕を助けて。
君を失うなんて
考えられない。
12
「っ!!」
の部屋に、ライトが血相を変えて飛び込んできた。
その目に入ってきたものは、力なく床に座り込んでいるの姿だった。
ライトはに駆け寄り、立て膝をして、の肩を掴む。
「何があったんだ!」
強く問うと、は手に握っていたそれをライトに差し出した。
ライトはそれを受け取る。
「!これは、カメラ・・・・・・」
「電気に取り付けてあったの・・・・・・。ねぇ、どうしてそんなものが取り付けられてるの!?」
訴えるようにライトの服を強く握る。
今にも泣いてしまいそうだ。
ライトは自分の服を強く握る手に、安心させるかのように自分の手を重ねて握った。
「鍵は閉めていたのか」
「閉めてたよ。・・・・・・あっ、でも窓までチェックしてないから分かんない」
「心当たりとかはあるか」
「ある訳・・・ッ!」
ライトの問いに対して強く批判しようとしただったが
何かを思い出したかのように、息を呑むようにして中途半端な所で言葉を止めた。
そして、言い難そうに。目線を下へ向けて。
「・・・・・・この頃、視線を感じたり気配を感じたりするの。家の中じゃないよ。
外に出てるとき。・・・・・・・・・一昨日・・・買い物から帰って来るとき、もう辺りは暗くなっててね急いで帰ろうって思ってたら、
後ろから足音がして・・・・・・でも後ろを振り向いても誰もいなかったの。だから、怖くて、走って帰ったの。
ライトに言いたかったんだけど・・・・・・ほら、もうすぐ本番でしょ?だから・・・・・・って、今日呼んじゃったけど」
「そんな事気にする仲じゃないだろ、僕達。大丈夫だよ。大学に受かる事なんて模試で一番とるより何十倍も簡単なんだからさ。
・・・・・・・・・それにしても、やり過ぎだろ。カメラなんて・・・・・・ストーカーめ」
「私はストーカーなんて低俗な者ではありません」
その言葉を画面越しに聞いていたLは、不満そうにケーキを食べていたフォークを噛んだ。
「手に入れることが出来ないからって、私生活を覗こうとか・・・・・・最低だ」
ライトは自分の手の中にあるカメラを睨みつけ、壊れない程度に強く握った。
「よし。警察に連絡しよう」
立ち上がったライトを咎める様に、はジーパンを引っ張った。
振り向くライトに、は弱々しく首を横に振って訴える。
「駄目」
「何故。これは警察に言って捜査してもらうべきだろう!?」
「警察に捜査してもらうのは賛成だよ。でも、あんまり大っぴらに捜査して欲しくないの。
世間体より何より、お母さんに心配かけたくないから」
早くに亡くした父に代わって、ずっと女手一つでを育ててきた母。
娘を立派な大人にするために、働いて稼いで・・・・・・
そんな母の後ろ姿をずっと見てきたは
物心つく頃から思っていた。
「お母さんに心配をかけちゃ駄目」
それをライトは知っていた。
だから、反論する事なくの意見に賛成し、の前に腰を下ろした。
「じゃあ、僕のお父さんに言おう。全部説明して、極秘・・・・・・は無理かもしれないけど
出来るだけ大っぴらにならないように捜査してくれるように頼もう」
は頷いた。
善は急げと、ライトは携帯電話を取り出し、父にかけようとした・・・・・・が、その手を
ふと止めて。
「もしかしたら、連絡がつかないかもしれない。この頃お父さん、電源切りっぱなしなんだ」
「良いよ、それでも」
「分かった」
「竜崎、どうすれば良い」
携帯電話を持って、電源を入れようか迷う夜神。
「入れなくて良いです。様子を見ましょう」
Lの言葉に頷くと、携帯電話をポケットに戻した。
ライトは通話ボタンを押し、父へ電話をかけた。
トゥルル・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「出ない」
何回かコールをした後、機械的な人間の音声が流れ始めたので
ライトは通話を切った。
「じゃあ、メール入れておけば良いよ」
「でも、早い方が良いだろ?まだ付けられているかもしれないんだ」
「・・・・・・・・・我慢、する。付けられているのって、どうせ私の部屋くらいでしょ?」
「後はお風呂場とかな。知らない男に裸を見せて良いのか!?」
「中学校の時使ってた、巻き巻きタオル使う」
「そういう問題なのか!」
演技だったはずが、どんどんと感情的になっていく。
独占欲、独占欲、独占欲・・・・・・
ライトは渦巻くそれを、必死で抑えていた。
必死でそれと戦っていた。
しかし
「大丈夫・・・だよ、たぶん。それにさっき、カメラの事まだ知らないとき、着替えて下着に、
なっちゃったもん」
一気に、怒り、愛しさ、殺意、そしてやはり、独占欲がライトを襲った。
見られた、Lに。
僕以外の奴に
の、姿を。
許せない。
は僕のモノだ。
僕だけのモノだ。
その姿を見て良いのは
僕だけだ。
もう、抑える事など出来ない。
「許せない」
ライトはカメラや盗聴器の事など忘れ、をその場に押し倒して
強引に唇を奪った。
++++++++++++++++++
独占欲の塊のようなライト君。
書いてて楽しいです♪
書きたかった所は、この話と次の話です。
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