もう抑えられない・・・理性が切れたら、君を愛すだけ
切れた理性の糸。
でも、自分がキラだということは忘れてはいないさ。
13
「ちょ、ライっ、ん・・・・・・・・・」
強引に一度、唇を奪っただけでは物足りなくて
何度も何度も
逃げようとする唇を捕まえて乱暴に口付けて
角度を変えて味わって
酸素を奪った。
離したのは、やっと理性が戻ってきた頃で
床に仰向けになりながら、頬を赤らめ苦しそうに呼吸をするを見て
愛しくなった
そして、情けなくなった。
こんなにも彼女を欲して欲して
抑えきれなくなっていた事に気付かなくて
結局、Lが見ている所で、お互いの関係を晒している。
馬鹿だと思った。
けれど、それで良いとも思った。
Lさえも、ライトは恋敵だと
思ってはいないが、本能的にはそう感じ取っていた。
見せ付けておかないと
何時か近付いて奪っていくのではないか、と。
は潤んだ瞳でライトを睨み付けた。
「いきなり何するのよ」
ライトは意地悪そうに笑む。
自分はキラだと、分かっている。
その仮面を、ここで剥ぐ事は出来ないから。
「の下着姿をストーカーに見られた事が、凄く頭にきたんだ。それで、理性の糸が切れてしまった。
・・・・・・でも、別に良いじゃないか。見せ付けておけば、きっとストーカーもの事を諦めるよ」
は起き上がって、呆れたように困ったように息を吐いた。
「その前に、ライトが危なくなるでしょ?どうするの。夜道で刺されちゃったら」
「大丈夫さ。・・・・・・それより僕はが心配なんだ。どうかその身体を僕以外の人には見せないで」
願うように請うように
の肩に額をつけて
「ライト・・・・・・」
「愛してる。それをは知っている。なのに何で・・・・・・。恋しくて恋しくて堪らない。
何時までは、僕の気持ちを受け止めないつもりでいるんだい」
切ない程の、愛の言葉。
何度も言ってきた。
何度も聞いてきた。
顔を上げて、の目を見て。
は困ったように微笑する。
「受け止めては、いるよ。ただ、ちゃんとした答えを出してないだけ」
「・・・・・・ちゃんとしてなくても良いから、答えを頂戴。僕が君を、壊してしまう前に」
そんな彼女を、ライトは抱きしめた。
優しく、悲しく
温もりを求めて
本当は直に触れたくて。
「・・・・・・・・・何度も言ったじゃない」
「変わってるかもしれないだろ」
「変わってないよ」
「でも言って」
そう言って目線を合わせたら、は切なげな顔をしていた。
苦しい・・・表情も見えた。
それでも気付かない振りをして言わせるのは
全て、カメラを通してテレビ越しに見ている
Lに自分達の関係を見せ付けるため。
躊躇うように少しずつ、紡ぎ出されていく言葉は
数珠状に繋がって繋がって
止まらない。
は恐る恐るライトを抱きしめて、その温もりを味わいながら
「愛してる・・・・・・世界で一番。ライトがいなくなったら、世界は壊れてしまう。だって貴方は、世界の中心。
・・・愛してる・・・・・・でも、ライトが望んでいるような関係には、今はまだ、なれないよ」
「・・・・・・・・・何故」
何度も言われた。
愛の言葉を紡ぎ出す度、何度も。
切ない顔をして
訴えてくる。
少し憎むような顔をして
「あの日の出来事が、邪魔するの。私の気持ちを」
ライトを見つめ、あの日の事を思い出し、顔を歪ませる。
と違って、ライトの表情は、至って平常。
「何故だ?」
「・・・あれを受け止められるほど、あの時の私は大人じゃなかったの。今だって、まだ・・・・・・。
だって、順序ってものがあるでしょ?」
「でも結局同じ気持ちだったんだから良いじゃないか」
「そう、だけど・・・・・・」
「一体何が駄目なんだ?隠してないで教えてよ」
見つめられたら、答えてしまう。
何時だってそう。
愛しくて・・・・・・狂おしいほど、呼吸が出来なくなるほど
恋しい
何度も言った
何度も聞いた
でも、足りない
何故、どうして
言って
聞いて
好きだよ
私も
だったら
駄目
何で
だって・・・・・・・・・
「・・・・・・だって、壊してしまうから、世界を。今・・・まだ心の整理がつかない今、付き合い出したらきっと、
私はライト、貴方しか見られなくなる」
「別に良い。その方が良い。僕以外の男なんて、見なくて良い」
「そういう意味じゃないの。愛しくて、愛しくて・・・・・・壊れてしまうよ、私が。
きっとそれで、世界を・・・・・・そしてライトも、壊してしまう。それは嫌なの」
「そんな事、付き合ってみないと分からないじゃないか」
「嫌。付き合ってからじゃ遅いの。・・・・・・ねぇ、まだこの関係でいようよ。間に一枚、薄い膜がある関係で。
・・・・・・私達は早くに愛し合ったのがいけなかったのよ。お互いの想いを押し付けすぎて、心にはちきれんばかりの想いを抱え込んでしまった」
「僕は大丈夫」
「嘘吐き」
「嘘じゃないさ」
「嘘よ。でなかったら、そんな簡単に理性が切れる事はないでしょ?」
「それは君を独占したいから」
「それがお互いの身を壊す原因となるのよ。だからまだ、駄目・・・・・・駄目なの」
力無く、ライトの服の袖を掴んで項垂れて。
優しく髪を撫でてくれたライトが、愛しくて・・・・・・
「ごめんね」
触れる程度の軽い、キスをした。
ライトは意地悪気に笑う。
「そんな事すると、襲うよ」
「そしたら一週間無視だから」
「それはちょっとキツイな」
苦笑して、自分より小さな身体を、包むように抱きしめた。
も応える様に、背中に手を回す。
「あれはいけない事だったの。・・・・・・このおかしな関係も、あの日の事も今は誰にも言っちゃ駄目。私達だけの秘密だよ」
「ストーカーに知られて何言ってんだよ」
「え?・・・・・・あっ!」
「もしかして忘れてた?」
「うっ・・・・・・ライトの馬鹿ぁ〜」
背中に回していた手で、軽くライトを叩いて、また抱きしめて。
確かめるように、紡ぐ言葉は
罪であろう事を、再確認するための。
「私達は共犯者」
「分かってるさ。共にお互いを・・・・・・」
次に続く言葉は言わない。
自分達がした〔いけない事〕が、バレてしまうかもしれないから。
「愛してる」
「私も」
誓う様に、キスをして。
約束のキスをして。
私達は離れた。
恋人よりも近くて、でも恋人ではない関係。
一応ただの幼馴染。
この関係が、ずっと続くなんて思ってないよ。
でももうちょっと、続きそう。
何時まで?
貴方が、キラじゃなくなるまでって言ったら
一生になってしまうかしら。
それは、嫌。
++++++++++++++++++
何だか、初めと話が少し矛盾している様な気がしますが・・・・・・まぁ、良いや。
ライトと主人公が、愛を確かめ合うシーンを書きたかったのです。
BACK
NEXT