何が正義だか分からない。・・・正義なんて、どこにもないのかもしれない。
鳴り響くコール音。
携帯電話を買ったときに初めからあった、ただの電子音。
数学の問題集から目を離し、私は画面に表示されていた名前を確認することなく
通話ボタンを押した。
相手は分かっているから。
「もしもし、。今行って大丈夫?」
「うん。大丈夫だよ」
電話越しのライトの声。
05
何時も通りのノック音。
「おかえり」
「ただいま」
何時も通りのあなたの声。
でも、どこか違うって思ってしまうのは気のせい?
何時も通り、ライトはベッドに腰掛けて、私を見つめた。
反射的に私は視線を逸らす。
何故、って……分からない。
自分でも、何故視線を逸らしたのか。
ライトは視線を逸らしたことに、少し不満げな表情を見せ、椅子に座っていた私の手を
引いて、自分の横へと座らせた。
顔が近い。
「何で目を逸らすんだ」
「なんとなく」
「なんとなくって…」
「それより話、聞かせてよ」
〔目を逸らす〕理由は本当に何もない。
ただ、なんとなく。
だから私は話題を切り替えた。
ライトは何か言いたげだったが、それを飲み込み、話し始めた。
誰かに付けられていたこと。
それが誰なのかを確かめる方法を思いつき、それを実行、成功させるために
女友達とデートをしたこと。
私を誘ってくれれば良かったのに、ってちょっと思ったけど
口には出さなかった。
エゴな部分はあまり出したくないから。
そして、ライトを付けていた人物がFBIの捜査官だったこと。
利用した、麻薬常習犯で銀行強盗殺人事件の犯人は死んだということ。
「……そのFBIの人は殺してしまうの?」
「あぁ。でもまだだ」
くくっ、とライトは笑う。
何を考えているか全く分からない。
前までは分からないことはあっても〔全く〕はなかったのに。
恐い。悲しい。
その後に〔愛しい〕はこない。
今はそれだけ。
私は俯いてスカートをギュッと握った。
「…?」
「お願いライト、FBIの人は殺さないで」
請うように、叫んで。真剣な目を向けて。
ライトの、服を掴んで。
「犯罪者……罪人には、償わなければいけない罪がある。
でも、FBIの人達にはないでしょ?彼らはただ〔正義〕という名の元で動いているの。
彼らには愛する人達がいて、愛すべき人達がいる。彼らにはなんの罪もない。
そういう人達を殺してしまったら、ライトの手が穢れてしまう。だからやめて……」
私がこんなことを言うなんて思わなかったのだろう。
ライトは一瞬躊躇うと、睨むように私を見つめ、両肩を掴んだ。
視線は私の瞳に刺さる。
肩を掴む力も強い。
「僕が〔正義〕だ。僕に反発する者は皆〔悪〕だ。手が穢れることは構わない。
僕には生きるか死ぬかしかないんだ。Lを見つけ出し、殺し、生き残るか。その反対か……。
は僕が死んで良いの」
最後の言葉は、重石のように私の上へと圧し掛かった。
私は首を強く横に振った。
そんなの絶対に駄目。
私が首を横に振ったのを見て、ライトは安心したのか小さくゆっくり吐息を吐き出した。
「に裏切られたら、生きていけない」
私を抱き寄せて、背中に手を回して優しく抱きしめた。
「私も、ライトがいなくなったら生きていけない」
私はライトの胸に顔を埋めた。
分かってる、いけないことだって。
でも、少しだけだから…良いでしょ?
少しだけで良いから、この作られた安心の中でライトの心音を聞いていたいの。
近くで
「お前らそういう関係なのか?」
リュークの声が聞こえた。
違うよ。
私達はただの幼馴染。
それ以上の一線は越えられない。
越えてはいけない。
まだ。
越えたら壊れてしまうから。
関係と絆と、そして世界が。
+++++++++++++++++
彼と彼女の考え方の違い。
彼女は彼を裏切れない。
世界を守るために。
・・・・・・というようなお話。
意味不明だ。
ちょっとイチャつかせたかったんです。
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